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タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

京都モダン建築祭2023【立命館大学の布目タイル】

2023-11-07 | 建築巡り・街歩き【京都】

京都モダン建築祭は4日土曜に参戦。
1時から唯一「京都大学東南アジア地域研究研究所図書室」のツアーが当たっていたので、それまでに離れた場所を見学しておこうと、衣笠地区へ。
立命館大学の末川記念会館。
京都地方裁判所から移設した陪審法廷。ここはいつでも見学できるみたいだったが。





以前にも立命館大学の布目タイルが美しい~と少し見に歩いたことがあったのだが、
せっかく来たので、また見て行こうと思って見始めたら、沼ってしまい
抜け出せなくなってしまった。


受付で頂いた資料に、以学館に最も古い泰山タイルが残されていると書いてあったが、その場所に行っても新しそうなものしか見当たらず・・聞いてもわからず。あとでもう一度探そうと思ってたら時間切れに;
こちらは、「志徳館」(1979年)のタイル。


校舎によって少しずつ色味の違うタイル。建てられた年代が違うが
全て泰山タイルという説明だったが・・
泰山タイルが閉業した後に建てられた校舎も多数あるので、
泰山タイルを踏襲して造られたものなのだろうか。
これほどの規模の手作り風のタイル、どこで造られていたんだろう。


こちらは志学館(1974年)


タイルは、ちょっと色が濃い目。
濃いピンクに所々に濃い紫、そしてオレンジっぽいタイルも混じる。
ざらざらした布目感がよく出ている。





同じ至学館なのだけど、向かって右側と左側のタイルでは、ちょっと違うような。


向かって右手のタイルは、布目地の黒っぽいラインがよく見えて
たのだけど、こちら左手のタイルは、たっぷり釉薬がかかっているのか
布目が結構埋まりがち。
そのちょっと単調な感じを補うかのように窯変が美しいタイルが、所々に散りばめられていた。



そしてやって来た「修学館」(1966年)


こちらのタイルは激渋。
1966年製なので、以学館に次ぐ古いタイルが使われている。


乾いたような質感、洗いざらしの麻のような風合い。
他の校舎は紫がかったピンクがメインだけど、こちらは紫がかった茶色?
しかも釉薬を掛けた後、刷毛で一方向にざっとなぞったような勢いもある。
その風格は、校舎一。
なんという味わい深さ・・



泰山タイル閉業以前のものが、泰山タイルだったとしても、
このような手作りの味わいの深いタイルを、校舎全体に貼る量作ることができるのかなあ?!





窓下のこんなスペースにも。
ここは、ピンクがかってる。


校舎の北面へ回ると、
ぽつぽつと、グレーがかったブルーのタイルが入っているではないか!
何?この演出は?!
気まぐれで焼いたものをポイント的に入れ込んでみたのか?
それとも計算で入れたのか?
この色合いのものは、こちらの校舎の北面に少し見られたのみだった。



志徳館(1979年)


こちらは、端正な表情。
ピンク、紫、オレンジ系でトーンも抑えめ。


こちらは、又修学館(1966年)になるのかな?!
ちょっと奥まったところに貼られていたタイルで、
ファサードや北面で見たものとは、又異なっている。


しかし、ここのタイルの窯変が又最高!
とろりとした艶もあり、ピンクの発色が美しく、変化に富んだ窯変が見られる。


美しすぎる~
ここのタイルが最も気に入ったかも。


そしてこちらは、修学館の北面の一画に建てられていた育友館。
2008年に建てられたものなので、さすがにタイルの色味も均一味がある。
上の修学館のタイルと比べると違いは一目瞭然。


そして学而館 (1970年)
こちらのタイルはピンク味が強め。


ピンクの濃淡、可愛い色味のピンクが散りばめられている。
一番下の列は、ほぼピンク色じゃないか~?!


所々に黄土色系や濃い目の窯変タイルが入って、甘さを引き締めている。


こちらも学而館の壁面。


うっすらピンク色と窯変タイルの組み合わせは、渋可愛い~


北面にある出入口。



こちらもほんのりピンク色。


清心館(1977年)


清心館には一つの壁面に、上下に分かれて新旧のタイルが貼られているらしきレアな壁面もあった。
上が新、下が旧っぽい。


清心館の新タイルは、紫味がやや強め。


銀行のATMも布目タイル貼りと徹底してる。


諒友館(1976年)に付属していた立命館生協の「できた亭」


こちらのタイルが又、色幅がぐんと増えてきて楽しかった。
黄色から、黄緑、そしてライトブルーとカラフルなものが混じっているのだが、やはり基調は、くすんだピンク~紫。
布目の地模様があり、トーンも抑えめなので、落ち着いた渋味のあるタイル壁になっている。


フードを販売するショップなので、校舎と違って遊び心のあるデザインがいいなあ。


そしてこちらは存心館(1981年)。



存心館は、これまで見てきたものの中では、一番新しい建物のようで、中央に時計塔がある。
6階分くらいあるその塔やかなりのスケールの建物全体にも、布目タイルがびっしりと貼られているのだ。



エントランス付近のタイル。


色味の濃いものと薄いものが市松状に交互に貼られているような部分もある。



創始館は2001年と更に新しい。


こちらの布目タイルは、全体的にトーンが明るめ。
赤紫色の濃淡に、明るめのブルーや黄緑などのタイルが混じる。

同じ雰囲気ではあるが、校舎毎にカラーや質感の少しずつ違うタイルを比較しながら見て歩くのは楽しかった~

一刻も早く、モダン建築祭のみの公開物件へ行かねば〜と焦っていたのだが、結局
どっぷりタイルの世界に浸かってしまったおかげで、衣笠会館へも行けず。
そろそろ移動しなければ、ツアーの時間にも間に合わなくなりそうで、バスで京都大学東南アジア地域研究研究所図書館へ向かった。


コメント (4)
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