タイル編の続き、、
食後は、スタッフの方に建物のことについて尋ねたのをきっかけに
案内してくださることに。
こちらはメインロビー。
創立者の大倉喜七郎がイギリスへの留学経験があり、英国のリゾートホテルに感銘を受けたというだけあって、英国風に設えられたロビーは重厚感いっぱい。
二層吹き抜けのロビーはなんだかもう日本じゃないようなスケール感が漂う。
オリエンタルな模様が入った絨毯。
石のねじり柱に支えられた風格のある大理石の暖炉
鷲の上に槍と盾のエンブレムが輝く。
当初の川奈ホテルのシンボルマークだそうで、
現在はこの暖炉のグリルになっている槍がゴルフクラブになったこちらのマークがシンボルマークとなっているそう。
ロビーを支える重厚な大理石の柱は、石の模様が先ほどの川奈ホテルのマークの形、Xになるよう、あえてそういった石を選び、切り開いて用いたというこだわり。
もう一本の柱も、同じくXの形の模様が浮かび上がっている。
これは教えてもらわないとさすがに気付かないなあ。
メインロビーの奥にもまだ第二のロビーがある。
こちらも更に落ち着いた雰囲気で、壁面は和の雰囲気の壁紙が用いられ、大きな日本画がいくつか掛かっている。
2階にあるボックスのようなもの、あちらは映写室とのこと。
後ほど映写室にも案内して頂けた。
そしてこちらのロビーの暖炉は大理石とタイルが貼られたもの。
暖炉上も天井に届くまで、ボーダータイルとモザイクタイルが貼られている。
出入口上部にモザイクタイルが貼られたコーナーもあった。
そして2階へ案内して頂き、こちらの映写室の中も見せて頂いた。
中は今は何もなく、がらんどう。
この扉のCINE BOXの文字も、当時手で彫られたものが残されている。
映写室から第二ロビーを見下ろす。
ちょうど真向かいにスクリーンが張られ、上映されていたそう。
ロビーのシャンデリアを2階から。
階段途中に入れられていた面格子。
付け根には細かい装飾が入っている。
メインロビー前の階段。
この案内板もいいなあ。
グリル前で見たのとは又違ったフォント。
メインダイニング前。
ホテルと広大なゴルフ場となっている敷地が描かれている。
ホテルのインテリアデザインなどを担当した繁岡ケンイチによるものだそう。
メインダイニングはヨーロッパの教会をイメージして造られたという。
木組みのトラスがむき出しになった天井は雰囲気があって素敵。
シャンデリアはアールデコっぽく、軽めの感じがおしゃれだなあ。
そしてタイルの壁泉も!
ブルーのモザイクタイルと伊豆石が使われた壁泉はさわやかで、
ワンポイントで入れられた色違いのモザイクが小花のようで可愛い。
入口上部にはオーケストラボックスが設けられ、
開業当時は生演奏をBGMに食事ができたという。
控えめなステンドグラスとシャンデリア。
入口周りにはパステルトーンの水色と赤茶色のボーダータイルが貼られている。
面格子のデザインもいいな~
廊下などで見られる照明も、デザインいろいろ。
これは傘型?!
更にスタッフの方は、古い建物が残っている場所として、ビリヤードルームも
案内してくださった。
このビリヤード台もポケットにボールが落ちたら都度拾わなくてはいけない
年代物の台だそう。
ビリヤードルームの廊下側はこんなガラス貼りになっている。
分厚いガラスはイタリア製の貴重なもので、透明のものと、不透明のものがランダムに入れられている。
最後に、江戸時代の茅葺民家が移築され、田舎家という建物へ。
太い梁が通る店内は、普段は和食が頂ける食事処となっている。
地下一階には川奈ホテルの歴史に関する展示のコーナーがある。
ホテルのインテリアやさまざまなデザインを担当したデザイナーの繁岡ケンイチによるメニュー表紙。
富士山と噴煙を上げる大島を描いた食器は創業当時から変わっていないそう。
スタッフの方にはランチ客にも関わらず、丁寧に案内して頂き、
おかげさまで、ホテル内の見どころを十分満喫することができたと同時に、このホテルのホスピタリティーの高さにも感激した。