先日、和中庵の秋の特別公開へ訪れてきた。
春頃に建築講座でも見学があったのだけど、ちょうどその時用事で欠席したので見に行きたいと思ってた。
教えてくれたMさんと、講座で見学した時カメラを忘れたのでリベンジするというぷにょさんとでやって来た。
和中庵はスキー毛糸のブランドで成功をおさめた近江商人、藤井彦四郎の邸宅として昭和2年に建てられた。
昭和24年にノートルダム教育修道女会が取得し、その後ノートルダム女学院中高等学校へ移管され、
改修工事を経て現在教育施設として保存活用されている。
玄関入口のアーチ。
獅子の木彫りがついていた。洋館なのに獅子がちょっと違和感・・
そして外側と内側とに2体ついているのは珍しいとのこと。
1階の応接室には暖炉やアーチ窓、天井装飾など、当時のままの雰囲気がよく残されている。
現在は校長先生と生徒との面談の部屋などに使われているそう。
大理石と木でできた暖炉
木製の部分の彫刻がとても緻密
暖炉の上部の枠の中には漆喰レリーフで鳥が描かれていた。
真ん中は透明、周りは型板ガラスが入れられていた窓。
ブラインドの小さなつまみまで、形やデザインが凝っていて素敵だった。
天井装飾も
床は寄木貼りに
そして玄関を入って正面にある階段ホールがまた素晴らしかった。
縦長のアーチ窓に囲まれた階段ホールは黄色味をおびたガラスから入る光が美しい。
二色の大理石で彩られた階段。
紫がかった石とピンクがかった石がベストマッチの美しさ。
アンモナイトの化石?も
漆喰装飾も
階段ホールを上から見たところ。
2階には聖堂として使われていた少し大きめの部屋があり、ちょうど同窓会のイベントが行われていたので
ちょこっと覗かせてもらった。
そのお部屋にはやはり暖炉も置かれてた。
そして洋館から和館へ続く渡り廊下。
真ん中がやや膨らみを帯びたこの橋は東福寺の通天橋を模したものだとか。
橋の上から洋館を。
階段の縦長アーチ窓部分の外壁には大谷石が使われている。
橋から和館を眺める。
崖に建てられているのがよくわかって、景色もとてもいい。
和館から洋館を。
赤いスパニッシュ瓦が建物に映えるなあ。
和館の広間。
欄間などがとてもシンプルなのは、ノートルダム教育修道女会に売却された時に
宗教上の理由からシンプルにだいぶ改装されたのだそう。
当時は畳は全て板張りに変えられたという。
少し前は紅葉が素晴らしかったのだとか・・
残念だなあ、もう少し早めに来れたら建物も紅葉も一緒に楽しめたなあ。
高低差のある地形に建てられているので、ずいぶん下にお茶室が見える。
大広間から見える庭も、もう紅葉の葉は散ってしまってた。
踏み石に一枚物の巨大な鞍馬石が敷かれている。
こちらの広縁からの眺めも素晴らしく、庭と森とが一体となった感じでとてもよかった。
茶室の窓を外側から。
当初は花頭窓が入れられていたそうだけど、仏教をイメージするということで
塗り込められたのだそう。
もう一つ大広間にあったという花頭窓も普通の障子に変わってる。
こちらは洋館のもう一つの出入り口。
Y字型の柱がポーチの屋根を支える。
小さな灯籠と手水鉢。
洋館と和館をつなぐ橋を下から見上げて
外から見ると1階にステンドグラスが入った窓もあったけど、
浴室か何かだったんだろうか?今回は非公開だった。
和中庵を見学した後は、哲学の道へ向かった。