JR富山駅の南西5Kmほどのところ、神通川の西岸に鎮座する神社です。
東岸には富山空港があります。
ここ、鵜坂神社(うさか)には、現在は淤母陀琉神(オモダル)・詞志古泥神(カシコネ)を主祭神とし、
鵜坂姉比神・鵜坂妻比神・大彦命を配祀しているという。しかし、配祀神の神名から、社名の通りの
「鵜坂神」が本来の主祭神であり、それぞれ主祭神の姉神・后神であるとする説が有力である・・とも
いわれているようです。
鵜坂神社
(ウイキペディアより)
で、この神社は、古く由緒正しく、往年には、興隆を究めたとあり、現在でも観光スポットの一つで
ありますが、その昔、平安時代から江戸時代までは、楉(ジャク=鞭)祭という特殊神事が行われて
いました。
現在では、この6月16日は、“除蝗祭・家持彰祭・鵜坂寺別当慰霊祭”が行われていますが、当時、
特殊神事として、別名を「尻打祭」、「しもと祭」といって、貞操を戒めるために女性の尻を打つ祭で
あったといいます。 この日、神宮が祝詞を唱えているうちに、参詣の女たちは、その年に関係を結んだ
男の数を告白させて、榊の鞭(しもと)をもって、その数だけ尻を打つという行事があったというのです。
「日本五大奇祭」の一つとして日本全国にその名が知られ、松尾芭蕉などもこの神事を詠んでいます。
明治初年には雌馬の尻を打つ祭に変えられ、昭和の中頃にはこれもなくなったそうです。
もし、今でもあったならば、どうでしょうか? 何回くらい叩かれるでしょうか?
現在では縁結びや安産のご利益があるパワースポットとして、人気を集めているそうです。
「油断して 行くな鵜坂の 尻打祭」 (松尾芭蕉)
「いかにせん 鵜坂の森に身はすとも 君が笞(しもと)の数ならぬ身を」 (源俊頼)
芭蕉句碑
(こちらもウイキペディアより)
ついでですが、鵜坂神社は、御祭神が、淤母陀琉神・詞志古泥神で、配祀が、鵜坂姉比神
鵜坂妻比神 大彦命そして、さらに以下の神々が合祀されているといいます。
すなわち、天照皇大神 豊受大神 誉田別大神 豊玉姫命 倉稲魂神 建御名方命 水波賣神 天兒屋根命
(この神々は、すでに、当ブログの“古事記から(n)”に出て来ているのですが、要するに、
淤母陀琉神・詞志古泥神の夫婦神は、別格天津神(アマツカミ)の次に現れた十二柱七代の神を
神世七代としていますが、その6代目の夫婦神です。第7代目の夫婦神が、イザナギ・イザナミという事
ですから、本当に初期の神様なのですね。
また、この鵜坂神社は、社伝によれば、崇神天皇の御代、北陸道将軍・大彦命によって約2000年前に
勧請されたのを創祀として、652年(白雉2年)に創立したと伝わり、平安期には神階従三位にのぼり、
朝廷からも尊崇を集めたそうです。
なお、参道脇に“疣(いぼ)石”という石があり、疣や痔に霊験があるとされていて、
疣の場合はその部位をさすり、痔の場合は静かに腰掛ける・・のだそうです。
疣石
(ウイキペディアより)