芒種(ぼうしゅ)は、二十四節気の一つで、第9番目です。
太陽黄経(定気法)が75°のとき、6月6日ごろで、今年は、6日の土曜日でした。
太陰太陽暦の五月の“節”(旧歴4月後半から5月前半)にあたるのですね。ウイキペディアには、
芒(のぎ 、イネ科植物の果実を包む穎(えい)すなわち稲でいう籾殻にあるとげのような突起)を
持った植物の種をまく頃であるところからこの名前が付けられているとありました。
芒種は、稲作中心だった日本において、欠かせない日だったのですね。
現在の種まきはこれよりも早いですが、これは温暖化のせいでしょうか。
二十四節気では、小満→ 芒種 → 夏至(6月22日)と遷移しますが、これからいよいよ暑い夏を
迎える時期を意味していて、この芒種の期間の七十二候は以下のように記述されています。
初候
螳螂生(とうろう しょうず) : 蟷螂(カマキリ)が生まれ出る(日本・中国)
次候
腐草為蛍(ふそう ほたると なる) : 腐った草が蒸れ蛍になる(日本)
鵙始鳴(もず はじめて なく) : 鵙が鳴き始める(中国)
末候
梅子黄(うめのみ き なり) : 梅の実が黄ばんで熟す(日本)
反舌無声(はんぜつ こえ なし) :鶯が鳴かなくなる(中国)
以上のことから、芒種の時期は新しい生命の誕生や成長が多く見られる頃となります。
何ともほのぼのとした光景でしょうか。芒種にちなんでホタル見物や梅酒作りを楽しんでみるのも
いいかもしれません。
芒種は、それまでの初夏らしさから蒸し暑さを感じる時期になり、同時に梅雨入りもする頃です。旧暦では五月を指していたので、この時期に降る雨を五月雨(さみだれ)、雨の合間に晴れる
ことを五月晴れ(さつきばれ)と呼んだりしますね。
田植
(tenki.jpより)
次に、入梅です。
梅雨入りの時期に設定された雑節で、今年は6月11日に当たります。太陽黄経が80°の時またはその日を
指します。 芒種は二十四節気の一つでしたが、入梅は雑節で、こちらは日本元祖のやはり季節
(気候)を表したものですね。ちなみに、雑節には、このほか、節分、彼岸、八十八夜、半夏生、土用、
二百十日などがあります。
で、沖縄では、既に梅雨に入っていますが、これは、小満から芒種が梅雨の時期に当たり、梅雨のことを沖縄方言で「小満芒種(すーまんぼーすー)」と言うとありました。
“梅雨は、東アジアの広範囲においてみられる特有の気象現象で、5月から7月にかけて毎年めぐって
来る曇りや雨の多い期間のこと”とありますが、関東あたりでは必ずしも年間で最も雨が多いとは
いえないようです。
東京過去30年の雨温図
(Time-j.netより拝借しました。)
上の雨温図を見ると、雨はむしろ秋の方が多いようです。しかし、梅雨時は気温が高く“ムシムシ”と
不快指数?が高くなり、良い印象ではないようです。植物にとっては最高のシーズンですね。
ちなみに、梅雨と書くのは梅の実が熟す時期に降る雨だから、なのだそうです。
梅雨の時期が始まることを梅雨入りや入梅といいますね。また、梅雨が終わることを梅雨明けや
出梅(しゅつばい)といい、鬱陶しい時期が空けるのを待ちわびることもあります。
上で、五月雨(さみだれ)に触れましたが、梅雨時の雨のように、物事が長くだらだらと続くことを
“五月雨式”と言うようになったともありました。
また、この時期の言葉として、いくつか挙げてみます。
・空梅雨(からつゆ) 梅雨なのに、ほとんど雨が降らない場合
・菜種梅雨(なたねつゆ) 3月下~4月上に降る連続した雨。菜の花の頃だから。
・走り梅雨(はしりつゆ) 5月下ころから、梅雨本番の前触れのように降り続くこと
・さざんか梅雨 11月下~12月上あたりに降る連続した雨
画面の、u-tubeのところをくりっくしてご覧ください。