蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

潮汐力  (bon)

2015-08-30 | 日々雑感、散策、旅行

                       関東地方は、連日小雨が降り続いています。
                   今日は、満月ですがお月様は望めそうもありません。 

 潮の満ち引き、潮汐(チョウセキ)力のことです。

 二十四節気にまつわるお話をまとめている中で、どうしても“脇役”のはずの『月』について言及したい
思いに駆られ、月による影響の一つの現象を取り上げてみました。

 二十四節気自体は、一年のそれぞれに対する季節に関する名称で、太陰太陽暦では月名と季節がズレて
農作業など実生活には不便であるところから工夫されたのでした。立春、春分、夏至、冬至・・などなど
です。 春分、秋分では、暑さ寒さも彼岸まで・・とか、立夏には稲の種蒔き時が来たとか、芒種は
田植・・などと 農作業の目安にしていました。
日本では、これらに加えてさらに詳しい“雑節”を設けています。土用、八十八夜、入梅・・などです。

 で、月とどういう関連があるのかといえば、まず、なぜ1年は12か月とされているか・・は、
月の満ち欠けが12回繰り返して元の季節に戻ることからであり、このひと月を“節”“中”に分けて
24節気が構成されているのです。
 そして、もしこの月が無かったら、地球の自転速度は今の3倍の8時間程度に速くなり、地上には絶えず
風速100m位の風が吹き、そのため海の波高は30~50mにもなるとか・・。月が無ければ、地球の自転軸が
ズレはじめて、北極南極が今の赤道付近に移動したりして、氷が溶けて海面上昇や熱帯樹林が北極付近に
来たりして樹木が減少して酸素濃度が低下するとか・・大変なことが起こると想定されています。
また、月が無ければ、潮の干満が違ってきます。月の影響力による干満が無くなり、太陽の引力による
干満のみになり、太陽によるそれは月の影響力の1/2で、干満差が小さくなり、干潟が減少、
海流も弱くなり海洋生物が減少などによる人間の食生活にも大きな影響があるなどといわれています。

 しかし現実には月が存在して、上に述べたようなさまざまな役割を果たしていることが分かります。
そして、月の影響力の中で、掲題の潮汐力は、海洋及び海洋生物などへの影響だけでなく、陸上の
植物や生物などにも大きな影響を与えていることが分かっているのです。潮の満ち引きと生物の関係が、
さらに農作業などに影響を与えていて、二十四節気とは別の視点からの指標を得ているのです。

 潮の満ち引き、潮汐は、一日に2回生じる“満潮”と“干潮”があり、また、“大潮”や“小潮”など
太陽との関連した干満があります。潮汐は、潮は朝に起こる干満で、汐は、夕方に起こる干満のことを
指しています。潮汐の字のサンズイ偏をとると、朝・夕ですね。

 地球が1日1回自転していますから、月は1日1回昇り、満ち潮が1回起こりますが、月の無い反対側
では、地球の自転による遠心力で潮位が高くなるのです。また月の影響がなくなる2回は干潮となります。
ですから、干満は6時間おきにやってきます。 
 また、大潮、中潮、小潮などというのは、太陽、月、地球の関係で生じる干満で、新月の時が
最も大きな満潮で、次が満月の時で、ともに“大潮”と呼んでいます。
上弦、下弦の月の時は、太陽と月がちょうど90度の位置関係にありますから、月の影響を受けずに
“小潮”となります。

       潮まわり
        (野菜日記・農健クラブより) 

 昔、子供が生まれるのは、満潮の時だとか、人が息を引き取るのは潮が引く時などと聞いたことが
あります。現在は必ずしも自然のリズムでは無いかもしれませんが、虫などの場合は、このリズムで
あるそうです。 虫の防除の適期は、大潮の最後の日から3日間くらいだそうです。この時期、
虫が卵から孵化したばかりの時期で 農薬が効きやすいのだそうです。
また、液肥などを葉面に散布する時期も、気孔がいちばん開く大潮の時が効果的なのだそうです。 
更に月の引力に着目すると、引力が強い時は、生物の体内に流れる液体を上部に引き寄せ、引力が弱い時は、
足下に液体が流れようとするというのです。この事は、地中における水分についても同じで、月の位相は、
生物が持っている体内時計の調整と生態リズムを調整するのだそうです。
 月の引力のほか、月光(月の明るさ)にも影響を受け、経験的に月と農業の関係について次のように
言われているようです。(部分)

・満潮時には植物の成長は早く、干潮時には緩やかになる
・満月は生殖成長、新月は栄養成長
・上弦から満月の間は、果菜類の収穫に適してる
・移植・定植は月齢24から月齢29(新月)までが活着が良い
・満月ではpHが上がり、新月ではpHは下がる
・下弦から新月の夜に木を切ると堅い丈夫な木が伐採できる

 現在では、植物工場、野菜工場などといったコンピュータ管理の下で栽培される野菜などが出回って
いる時代ですが、そこまで行かなくても、殆どがハウス栽培で、温湿度が管理され、出荷時期まで
調整されていますから、上で述べたような自然の影響がもはや入り込む余地がないのかもしれません。
遺伝子までも組み替えられている時代ですから・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

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