蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

大量絶滅  (bon)

2017-07-28 | 日々雑感、散策、旅行

 いきなり物騒なタイトルで失礼しました。 先日の立山ハイキングで、雨で山小屋談義の
中で、恐竜の話から種の絶滅の話など、普段には話題にならないような高尚?な話にしばし
盛り上がったのでした。で、最近読んだ会報記事を思い出し、ここにアップしてみました。

 一億年以上もの長い期間、地球を支配してきた恐竜が、6500万年前に直径10㎞の小惑星が、
メキシコのユカタン半島に衝突した事で 絶滅に追いやられたとされています。 地球
衝突時
の直接的なエネルギーによる破壊の他、発生した火災と衝突時に巻き上げられた塵埃が太陽
の光を遮り、全地球規模の気温低下を引き起こし、植物などの食料が枯渇したことが原因と
考えられているのです。この時は、恐竜だけでなく地球上の3/4の生命が死滅したといわれ
ています。

 何度も引用させていただいているグラフ(下図)ですが、カンブリア爆発(生命の多様化
が始まる)の 5.4億年前から現在まで 大量絶滅は少なくとも5回あったとされ、2.5億年前に
起きた大量絶滅では、地球上の90%の生物がいなくなったのだそうです。

           顕生代における生物多様性
       
           (黄色の▽が大量絶滅期を示す。5回)

 

 グラフから、この大量絶滅が起こった間隔を見ると、だいたい5000万年から1億2~3000万
年で起こっています。私たちの生活時間感覚から見れば、気の遠くなるような時間ですが、
このような大量絶滅を繰り返してなお、現在の生命の繁栄が築かれてきたのですね。 

 手元にある会報記事『恐竜研究からのメッセージ』(小林快次氏、北海道大学総合博物館
准教授、恐竜博士)には、深刻な記述がありました。それは、生命が誕生した38億年前から
の「生命史」の中で、絶滅速度を計算して どの時期が最も絶滅速度が早いかをみると、
上で述べた恐竜の絶滅時(6500万年前)でもなければ、90%絶滅した2.5億年前でもなく、
なんと!絶滅速度が一番早いのは「現在」であるというのです。
 (訳注:現在の絶滅スピードは過去の1000倍以上といわれています。)

 

 その原因は何か?この論文のその部分をそのまま引用しますと・・

 『世間では、温暖化ということが注目されている。もちろんそれも環境破壊において大き
な要因であることは間違いないが、それよりももっと大きな原因は私たち人間にある。
 72億個体という恐ろしい数に“繁殖”した人間たち。地球が受け止められる許容量を超え
てしまったのだ。 私たちの存在自体が地球に負荷をかけ、その負荷に耐えられない地球が
悲鳴を上げている。 今は何事もない平和な時が流れているように感じるが、実は大量絶滅
の真っ最中であり、生態系は崩れ、私たち人間を含む生物たちは絶滅へと向かっている。』 
(訳注:人間による環境破壊‥生息地の破壊、乱獲、汚染、外来種の侵入、温暖化が原因)

 過去の長い歴史の中で、あらゆる環境に生活圏を伸ばし 繫栄し、1億数千年も地球を
支配して、そして絶滅した動物は「恐竜」なんですね。そして、この恐竜は、小惑星の地球
衝突が原因で絶滅した。 しかし、恐竜と同じように繫栄し支配し続ける人間は、小惑星で
はなく人間そのものの原因で絶滅するとの理屈になるわけですけれども、会報記事執筆者の
小林恐竜博士は、次のようなメッセージを述べられています。

 『私たち人間は、恐竜ではない。人間には、他の動物にはない「考える力」「伝える力」
を持っている。』と。

          ニホノサウルス
           (ウイキペディアより)

  つまり、ただ本能に身を任せるのではなく、現状を認識して、考えて、行動することに
より、少しでも、絶滅の時期を遅らせることができるのではないか。一人一人の力は小さい
けれども、全地球的に考えれば大変大きな力になるわけで、今、何ができるか、何をすべき
かを考え 実行し、そして後世に伝えてゆく・・そんな大きな理念が求められているのですね。
どこかの“自分ファースト”のような短絡したエゴイズムは遠慮すべきなんですね。

  注)北海道大学は、日本における恐竜研究の発祥の地であり現在もリードしています。ウイキペディアから
   引用した「ニッポノサウルス」は、1934年に北大教授により発掘されたのです。


  
 今日、この後すぐに蓼科農園に出発します。
今年、4回目で、ジャガイモなどの収穫を予定しています。旺盛な雑草の広範囲にわたる除草
と作物への追肥、手入れなどがメインです。 熱中症にならないよう注意しまぁ~す。

 

 

 

アリソン・バルサム (イギリスの女性トランぺッター)

 

 

 

 

 

コメント
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