蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

第2の地球  (bon)

2018-02-20 | 日々雑感、散策、旅行


 第2の地球はあるか?

 実はその可能性はかなり高い、そしてその数も多いかもしれない・・。
そんな最新状況を、昨年7月の 渡部潤一氏(国立天文台副台長)の講演で語られていました。
 渡部氏といえば、この筋で有名な方で、当ブログの「スペースガード」(2017.9.20)
にも出場されています。

 手元の会報に掲載された氏の講演録から拾い読みの形でその概略をまとめてみました。

 天文学はここ20年程で大きな進展があり、地球と同じような環境を持つ惑星が次々と
見つかっているというのです。  一般に星や宇宙には生命をはぐくむ材料、すなわち
酸素、窒素、炭素、水素が十分存在することは、すでに20世紀初頭には判明していたと
のことで、水も水素と酸素が結合した物質ですから、宇宙のどこにでもあるのです。
 ただ、太陽のような恒星から発せられる熱によって、例えば水が個体(氷)か気体
(水蒸気)か液体(水)かになっていて、その状況によって、地球のような環境になり
うるかどうかがまず決まるとあります。

 太陽から近い順に惑星を挙げると、水、金、地、火、木・・となりますが、太陽から
地球よりも遠いところにある火星は、その表面温度が氷点下55度だそうで、液体の水は
存在しないのです。 昔、“火星人がいる”などと言われていましたが、それは不可能
ですね。 遠い昔、火星にも水が存在していたことがあるそうですが、重力が弱く
46億年の間に大気は流れ出して保温されず冷却してしまったとのことだそうです。

 一方、地球より太陽に近い金星は、表面温度が470度という高温で、生命のある環境
ではなく、地球は太陽からちょうどよい場所にあることがわかります。
 このように、恒星からの距離が適地で水が液体の状態で存在する場所を「ハビタブル
ゾーン」(生命居住可能領域)と呼ばれるそうすが、残念ながら太陽系には地球以外に
は存在しないそうです。

 2009年にNASAが打ち上げた、ケプラー宇宙望遠鏡では、2015年までに、ナント、5000
個ちかい惑星(太陽系外)が見つかり、そのうち「グリーゼ581」という恒星の周りを
回る6つの惑星の中で2つがハビタブルゾーンにあり、地球型惑星だそうです。
  また 恒星「ケプラー62」には5つの惑星があり、そのうち2つが地球型惑星で、さらに、
昨年(2017年)に発見された恒星「トラピスト1」には7つの惑星があり、そのうち
3つが
ハビタブルゾーンにある地球型惑星であるとのことです。

    トラピスト1の7つの惑星と太陽系惑星(NASA資料)
    
                           (ネット画像より)

 
      トラピスト1 惑星の創造画像(NASA資料)
         (ネット画像より)

 これらの「第2の地球」候補の惑星に生命が発生し、それぞれ独自の進化を遂げ、
文明が栄えているかもしれない・・大きな夢ですね。

 そこに生命は生まれているか?
 これには大気の成分分析(酸素の状態など)が必要ですが、現存する望遠鏡では
残念ながら遠くの惑星の大気分析までできないそうです。 2020年代後半に完成予定の
マウナケア山頂のTMT望遠鏡(当ブログ「宇宙の謎 解明に挑む」2014.1.7)や チリの
E-ELT望遠鏡、さらにはGMT望遠鏡の完成に期待されるところです。

 また、第2の地球として、進化した文明を持つ惑星があるとすれば、恐らくコミュニ
ケーション手段として電波を使うはず・・ということで、1999年から宇宙から届く電波
を受信する活動が始まったのです。そして地球からも電波によってメッセージを送ろう
という活動も続けられています。現時点では、どちらの成果も報告されていないのです。

 しかし、仮に「第2の地球」が20光年の距離にあるとして、これらの電波メッセージが
受信され ただちに返信されたとしても、地球から発信してから40年後に受信できると
いうことですから、気の遠い話ですがまだ否定はされないのですね。

 講演者の渡部氏は、『星空を見上げて癒されることを、私は「星空浴」といっていま
す。』とありましたが、雄大な時空間を相手に、限りないロマンを求めているのですね。
今の時季は、寒いですからとてもできませんね。
 そして、講演の最後に 大いに期待したい彗星が来るというのです。夏の夕方、金星の
上に現れ、0等星なので都会でも見ることが出来るそうです。かの有名な「ハレー彗星
だそうです。  しかし、それが来るのは、2061年の8月なんだそうです!!

 余談として、以下のくだりがありました。

 江戸時代に薩摩の造士館、会津の日新館、水戸の弘道館では、天文学と暦学を教えて
て、このうち、薩摩と会津の2校では天体観測を実施し、天文台があったそうです。
 日本最古の会津の日新館天文台跡は今も残っているそうです。 また、薩摩の造士館
(明時館)は西南戦争で消失していますが、繁華街に「天文館通り」という名前が残っ
ています。

 

 

 

 

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