首と頭は一体になっていますが、言葉に“首をひねる”といえば、考え込む、思案する、
疑問に思うなどの意味があり、“頭をひねる”といえば、工夫するや思いを巡らすなど少し
違った意味となっています。 物理的には、首も頭も一緒に動いているのですが・・。
“首が回らない”といえば、借金が多くてやりくりができない様で、“頭が回らない”は、
知恵が働かないとの意になり、面白いですね。
最近の新聞だったと思いますが、首と頭についての言葉が出ていて、ちょっと目に留まっ
たままになっていました。 確かに、“首を左右に振る”、“頭を振る”などは否定として
同じ意味で使われています。
“首”と“頭”について、国語大辞典(学研)やネットを調べてみることにしました。
頭とは、『 動物の体の上端または前端の部分で、脳や目・耳・鼻などの重要な感覚器官
のある部分』とあり、首から上の部分で、その意味するところは、物の始まり、先端、最初、
トップ、主だった人、の意味を持ち、さらには、脳の働き、思考力などの能力を意味する
言葉から、人数や頭髪などの意味で使われています。頭が良い、頭数、頭を剃る・・など。
また、首とは、『本来の漢語における「首」という字はもっぱら、“トップ”“かしら”、
またそれらの原義としての“あたま”“頭部”を意味する』とあり、さらに『もともと日本
語「くび」は“頸部”を指す語だったが、戦闘や刑罰において“頸を斬って頭を落とす”
斬首の慣習があったことから、やがて“切り落とされた頭部”自体をも「くび」と呼ぶよう
になり、さらには(胴体と離れているか否かにかかわらず)“頭部”一般を指す用法が生ま
れたものとされている。』 なるほど、首は頭に近いのですね。(首と頭はくっついている)
これらから、首都、首相、首位、元首、船首など、その意味するところは、主たるところ、
トップ、先端など、頭よりは下部にありながら最上部の意味で使われていますね。
頭取、先頭、船頭、頭目、目頭、頭金なども、主要な人や先端的な意味で使われますが、
どちらかというと首の方が多く使われている感じでもあります。
頭を突っ込む は、その先端を突っ込むのでわかり易いですが、同じ意味で、首を突っ込む
といいますね。 むしろ、後者の方が多いかも・・。
首を切る は、解雇を意味し、首を洗う は、覚悟して待つ、観念する、昔は切腹を意味し
たでしょう。頭を切る は、頭をはねるなどとともに先端部分を切り取る、除外するなどで、
頭を洗う は、洗髪する意味だけですね。 余談ながら 足を洗うなどもありますね。
また、首尾一貫 は、始めから終わりまで、徹頭徹尾 も最初から最後までですが、首と頭
が区別されています。 首長が陣頭指揮をとる、や 船頭は船首にて漕ぐ。
乳頭のことを乳首という。