プロ野球ドラフト会議は賑々しく終わり、今日から日本シリーズが始まります。
スピードスケート日本選手権が始まり、いよいよ駅伝シーズンを迎え、今年も
終盤になりました。
先日、池袋から地下鉄丸ノ内線、発射直前の荻窪行きに乗って、ひと駅 新大塚あたりに
きて、まわりを見回して、その光景にハッと意識が戻ったようになりました。
気が付くと、両側座席に7人ずつ、吊革に6人、ドア付近に6人の合計26人(自分を除いて)
中 23人がスマホに見入っていました。 いそがしく指を動かしている人、じっと見ている
人など様々ですが、それぞれ熱中している風でした。 今どき、普通なのかもしれませんが、
私には異常?な光景に映りました。
残る3人のうち、1人は目を閉じていて、他の2人は文庫本らしきものを読んでいました。
この3人も、もしかしてポケットの中にスマホがあるのかもしれません。
車中の通話は禁止されていますから、もっぱらメールかゲーム、あるいはネット検索を
しているのでしょう。
使用シーン
(ネット画像より)
スマホの普及は、異常なほど急速に伸び、広い世代に浸透していますが、“携帯電話”の
世界から もはや“モバイルコンピュータ”としての機能が重用され、時々はカメラ機能も
使われたりして、“電話”として使われる機会は少なくなってきているようです。とくに、
若い世代はその傾向が強いのではと感じています。
スマホ世代別普及
(総務省HPより)
スマホの普及 スマホ世帯年収別普及率
(ともに、ガベージニュースより)
ドコモは、この秋(11月下旬)に『カードケータイ』を発売すると発表しました。世界
最薄、最軽で、名刺入れに入る‥が特徴ですが、“ガラケー”なんですね。
十分なマーケティング調査に基づいた末の発売であると思いますが、“電話機能”中心の
カードケータイは、どこまで普及するのでしょうか? あるいは、薄さ、軽量化の技術開発
に重点が置かれた一ステップなのでしょうか? 『スマホとカードケータイ2台を持参して、
使い分けていただく』とのコンセプトが表明されていました。
昔から、移動中にコミュニケーションができることは夢の機能であり、世界中で、夢の
実現に向け熾烈な開発競争が繰り広げられてきたのです。
日本での移動中のコミュニケーションの第1歩は、呼び出し機能だけでしたが、1968年ご
ろの「ポケベル」でした。 '70年の大阪万博で初めて通話ができる「ワイヤレスホン」が
展示され、それが「自動車電話」に発展しました。 '85年には「ショルダーホン」がでて、
名実ともに肩にかけて持ち運びできる電話が登場したのです。 重さはなんと3㎏もありま
した。
ショルダーホン
(ネット画像より)
当時私は北陸勤務でしたが、お客さんにマニアックな方がおられて、ショルダーホンを
大事そうにお座敷まで持ち込んでこられ、ひと時電話のことが話題になったのを記憶して
います。
'87年には、いわゆる「ケータイ」が出てくるのですが、重さはまだ900gでした。開発は
急速に進み、2年後の'89年には一般に普及した「ムーバ」になり、さらに小型・軽量化され
「FOMA」へと受け継がれ今日に至るのです。
途中、'98年には、簡易型ケータイの「PHS」が出て、域内、構内通信として普及しました。
2008年に「i-phon」の上陸とともに、ケータイの姿が一転してくるのですね。 ドコモは、
2010年に「スマートホン」を発売し、i-phonとともに急速に普及し、その機能も次々と豊富
になり、今では決済機能を持ち キャッシュレス社会の役割を担うまでに変貌を遂げつつ
あるのです。
このように俯瞰してみますと、池袋からの地下鉄車内の出来事は、ほんの一過程に過ぎ
ない仮の光景なのかもしれないのですね。