一昨日(2/5)は、ここ埼玉もお昼頃から雪になりました。翌朝には止んでいましたが、ベランダは
雪の反射で、ぱぁ~と明るい感じになっていました。 5㎝以上積もっていたようです。なんだか、
ふわぁ~としている感じで、このまま溶けてしまうでしょう。 このような雪は、後始末が不要です
から雪景色を楽しむ程度で歓迎です。 これが深く積もって交通障害になったり、災害復旧の邪魔に
なったりの地域では大変迷惑どころか生活に直結していますから大変です。
突然「星雲」が出てきて、雪ならず雲をつかむような話ですが、星雲は星を生み
出す場所であり、また星が死んで消滅してゆく場所でもあるのだそうです。つまり、
星雲は星のゆりかごでもあり星が死んで残す墓標でもあるというのです。
今年届いた会報の連載記事『宇宙の言の葉を尋ねて』(第7回)(渡部潤一氏、
国立天文台上席教授)に、この「星雲」が取り上げられていて、その副題に「星の
ゆりかごから墓場まで~」とありました。
この機会に、ネット調べも含めて、日頃全く馴染みのない「星雲」について勉強
してみました。といっても難しいので、その概要の一部です。
宇宙(この中に1万個以上の銀河が映し出されている)
(ウイキペディアより)
(ハッブル宇宙望遠鏡で撮影)
星雲に似た言葉に、銀河や星団というのがありますが、どのような違いがあるの
でしょうか? また、私らが学校で習った時に、○○星雲であったのが、今や○○
銀河と呼ばれているものもあります。代表的なのは、先の拙ブログにも取り上げた
「アンドロメダ」です。私の記憶では、アンドロメダ大星雲と覚えているのですが、
現在ではアンドロメダ大銀河(M31)が正しいのだそうです。
星雲と銀河の違いはなんでしょうか?
どちらも重力を持つほどの質量を核として星間ガス(塵や水素などの分子)が集
まっている天体ですが、規模とその天体に引き寄せられているものが違うというの
です。「星雲」の重力に引き寄せられているのはガスや宇宙塵だけなのに対して、
「銀河」は星や「星雲」といった天体すらも中心にあるブラックホールの重力に引き
寄せられている超巨大な規模の天体です。ついでに「星団」というのは、同じ星雲
から生まれた星たちの集まりを指しています。
宇宙には、宇宙塵や水素などの分子が漂っているのですが、これらのガスが、集
まってくると次第にその重力が強くなって、さらに周囲のガスを集めて密になって
くると、丁度雲のように光を遮って、その部分が黒く見える、つまり黒い穴が空いた
ようにシルエットとして見えますが、これを暗黒星雲と呼ばれています。
この暗黒星雲の一部で、更に密な部分が局所的に出来て、つまり暗黒星雲内のガス
や塵を急速に集めて赤ちゃん星が誕生するのです。これがどんどんと成長して恒星
として輝き、暗黒星雲は暗黒ではなくなるのです。 次々と赤ちゃん星が誕生して
星団が出来ると、もはや母親役の暗黒星雲は消滅して行くのです。 星団の例は、
あの有名な「すばる」がありますが、既に母親の星雲が消え去って久しいのだそう
です。
冬の代表星座の一つオリオン座の三ツ星の下に、やや暗めの星が縦に並ぶところに
あるのはオリオン大星雲(M42)と呼ばれ、双眼鏡でもうっすらと見えるようですが、
こちらは、暗黒星雲から独立したばかりの星雲だそうです。
馬頭星雲(オリオン大星雲M42)暗黒星雲
(ウイキペディアより)
一方、墓標としての星雲とは次のような状態だそうです。 星にも寿命があり、
星を輝かせている核融合の仕組みが止まった時が星の死であり、その死に方にはいく
つかのパターンがあるとあります。太陽のように単独の恒星の場合、その重さにより
死に方が決まり、太陽の10倍の重さの星の場合、中心部に鉄が出来、その重みに耐え
かねて星全体が大爆発を起こして死んでゆくとあります。 これが、重い恒星の死、
超新星爆発と呼ばれています。この爆発で、星の外層をなしていた物質は宇宙空間に
吹き飛ばされ自ら輝く星雲、超新星残骸となってしまいます。
この代表も冬の星座、おうし座にある「かに星雲」で、1054年に爆発が目撃された
そうです。木星ほどに明るく輝いたことが、藤原定家の『明月記』に記録されている
とあります。今でも、爆発の勢いで膨張しているそうです。
かに星雲(おうし座)
(ウイキペディアより)
これに反して、軽い恒星の場合、水素から核融合で生み出されるのは鉄まで行かず
せいぜい炭素や窒素で次第に外層が膨らみ始め表面温度は下がり、赤色巨星という
老人の星へと進み、外層のガスは静かに星から離れて行き、中心部からの紫外線を
受けて輝く星雲、惑星状星雲という墓標となるのだとあります。この代表は、織姫星
の傍にあるリング星雲(M57)とあります。
リング星雲(こと座)
(ウイキペディアより)
ところで、その昔アンドロメダ大星雲と呼ばれていたのが、現在大銀河となった
のは、望遠鏡の開発や天文学の発展によって、地球からの距離の測定により、われ
われが住む この天の川銀河よりもさらに遠い外側にあることが分かったからなん
ですね。アンドロメダ銀河までの距離は250万光年もあり、その大きさは、直径
22万光年といわれ、天の川銀河(10万光年)の2倍以上の大きさがあり、その中
には1兆個もの恒星があるといわれています。アンドロメダ銀河は、肉眼で見える
もっとも遠い銀河ですが、この間には50個もの銀河があるそうです。
銀河に含まれている恒星の数は、小さい銀河で1000万程度、巨大な銀河では100兆
個に達するものもあるそうです。天の川銀河には2000億~4000億個の恒星が存在して
いるとあります。そして、宇宙にはこのような銀河が、観測可能な宇宙の範囲内だけ
でもおそらく1000億個(1011個)存在していると想定されているのです。
夜空を見上げると、星がいっぱい見え、天の川銀河にある恒星は上にあるように
2000億~4000億個もあるとありますが、これらの星は1立方光年あたり僅か0.02個~
0.04個と計算され、1個にも満たないのですね。 地球に最も近い恒星ケンタウルス
まで4.3光年ですから、その間には恒星がないのですね。つまり宇宙はスカスカの空間
なんですね。
会報記事の締めに次の記述がありました。『我々の星、太陽は生まれて46億年ほど
経過しているが、あと50億年後には、やはり水素燃料がなくなって惑星状星雲を残す、
静かな死に方を迎えるはずである。太陽は、一体この宇宙にどんな形の墓標を刻む
のだろうか。』
末尾の動画(youtube)には、膨大な宇宙とアンドロメダ大銀河の様子、ハッブル
宇宙望遠鏡で捉えた銀河、星雲の様子、さらには天の川銀河とアンドロメダ銀河の
衝突の模様などが解説されていますのでご覧ください。
アンドロメダ銀河の本当の姿