蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

AIアナウンス  (bon)

2024-02-19 | 日々雑感、散策、旅行

 最近、テレビ(NHK)の番組、たとえば「おはよう日本」のニュース映像が流れて
いる時、画面右上に「AI自動音声でお伝えしています。」とあるのに気が付いて
いて、“それにしてもAIも進化したものだな! アナウンサーが読んでいるのと
そん色ないな・・” などと思っていました。  しかし、そういわれてみると、
確かにちょっと気になるところもありますが、ほとんどアナウンサーが読んでいる
ように違和感なく聞こえています。男声も女声もあります。

       テレビ画面例
        (ITmediaより)

 先週(2/12)の読売新聞、解説面にこれが取り上げられていました。読売文化部
の辻本芳孝氏の解説記事です。なるほど、生身のアナウンサーが話しているのでは
なく、まぎれもなくAI(人工知能)が話しているのです。新聞の他、ネット記事も
参考にして簡単ですがまとめてみました。


 NHKは、2018年にCG(コンピュータ・グラフィックス)のAIキャスター「ニュース
のヨミ子」が、ニュース番組で注目記事を紹介したそうです。 その後19年以降、
人員が限られた地方局のラジオの気象情報番組にも採用するなどして実用化を進め
てきたとあります。2019年3月には甲府放送局のラジオ第1放送の気象情報番組で、
AIによるアナウンス技術を用いたトライアル放送を開始しています。 その後も、
原稿生成技術や音声合成技術の改良を続けて11月からは新潟放送局でもトライアル
放送を開始したとありました。

  
                       (読売オンラインより)

 仕組みは、音声合成技術を用いたシステムで、記者が作成した原稿に、自然に
聞こえるようにアクセントや間(ま)の位置を付記する言語処理部と、それを人工
の声が読み上げるAIの音声生成部で構成されています。 アナウンサーの音声を
AIに学習させ、読むテンポやリズムを工夫し22年からテレビの「おはよう日本」の
一部ニュースで導入されて来たとあります。 新出単語のアクセントも辞書で自ら
調べられるようになって、その利用が広がってきたといいます。 

 気象情報などは、原稿を書く記者も不要で、気象庁のデータを自動的に原稿化
するだけでなく、放送時間に合わせて原稿の長さも調整できるようで、22年度から
は、地方局のラジオでは本格運用されているそうです。

 先の能登半島地震では、女性アナの「今すぐ高いところに逃げて・・」などの
津波警報時の緊迫した声で避難を促しましたが、このようなことは、AIアナには
無理ですが、罹災証明書の発行場所や申請方法など、同じ情報を繰り返し伝える
場合などは、AIアナは有用ですね。  また、外国人向けに、災害など緊急時に、
AI自動翻訳による外国語字幕とアナウンスは有効で、能登半島地震では英語配信
サービスが行われていたそうです。

 このことは、将来に向けて、アナウンサー不要を目指しているのではなく、アナ
ウンス業務のうち企画・取材など他の業務に重点を移したり、これまでの業務の
一部を肩代わりさせ働き方改革につなげる方針だそうです。

              

 それにしても進化したものと感心しています。
 昔、50年ほど前のことですが、映像情報システムの開発を担当していた頃の話
です。 映像情報に対応した解説音声をどの様にコンピュータに蓄積して、要求時
に再現させる技術が未熟でした。 コンピュータによる音声合成では、いかにも
機械が話す口調で馴染みにくくこれを改善するため、人間が話す言葉を録音して、
それをデジタル技術で圧縮(短縮して蓄積)する、当時としては先端技術を取り
入れ、録音作業をしましたが、録音する人の声をあらかじめ登録しておく必要が
あり、その声による因子分析がなされて高効率圧縮がなされる仕組みでしたので、
同一人物でも、録音時に登録された声と同じ調子で語る必要がありました。風邪
気味だとか、ましてや鼻声などは受け付けられず、さらに録音時には、原稿をめく
る音など、一切の雑音が許されず、大変な作業でした。この方式はほとんど実用化
の目途にはならなかったのでした。

              

 今では、アナウンサーに似せた声色にもできるし、調子を変えて、やさしい口調
や落ち着きのある口調などいくらでも調節可能ですし、早めることもできるなど
自由に操れる時代なんですね。
 誰かに似せた「なりすまし」の声も可能とあり、これは犯罪ともなりますが、
わずか50年で・・しかし今時、デジタル世界の50年は想像を絶する時間なんですね。

        ベランダの紅梅です。(2024.2.18)
          

 

 

 

掲題の、AIアナウンスとは少し違った、危険を予感させる例ですが・・

“スゴすぎる”音声生成AI 実際に使ってみた! 将来の活用方法は?悪用されるケースも続々と…【Nスタ解説】

 

 

 

 

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