蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

脳の面白い いたずら  (bon)

2024-10-06 | 日々雑感、散策、旅行

 脳のいたずら・・というよりは、ある種の「脳の処理」が、現象として面白いこと
をしているというのです。

 誰もが経験していることですが、この現象を捉えて解説するというのもあまり聞か
ないことではあります。 最近、手元に届いた会報記事に『空耳アワー「いつもの
ラーメン」「お金ないでしょ」』のタイトルで、このことが述べられていましたので、
思わず共感して拙ブログにアップしました。

 記事の著者、岩宮眞一郎氏は、日本大学非常勤講師、九州大学名誉教授、工学博士で、
ネット検索しますと、音や音楽に関する科学、デザイン等の研究を通じ、多数の著書、
論文発表をされています。

 

 で、この記事の内容およびネットから関連する部分を選択して、どのようなことか
の概略をご紹介したいと思いました。

 

 はじめに、下の図をご覧ください。なんて書いてあるか読めるでしょうか?
文字が切れ切れになっていて、何とかこれを埋めながら読んでみようとしてもなか
なかうまく読めないですね。

            (pandaignisより)

 ところが、これを次のようにかけたところを●で隠して見ると、あ~ら! 簡単に
読めてしまいます。
 これは、切れ切れになったところを隠してみると、隠れた部分を脳が補完してくれて
いるため、文字として読めるようになるのですね。これを『アモーダル補完』という
そうです。

         (pandaignisより)

 

 もう一つ見てみましょう。これはネットで紹介されていました。

        カニッツアの三角形
          (ネット画像より)

    (イタリアの心理学者カニッツアが1955年に発表した錯視例)

 この図形では、中央に白い三角形があるように見えますが、実際には存在しない、
主観的錯視(モーダル補完)と呼ばれているのです。そしてこの白い三角形は、立体
的に一番上部にあるように見えますね。

 このような錯視の例は、このほかにたくさんの人が発表しています。

 少し難しいですが、上の例からモーダル補完とアモーダル補完の違いについてみま
すと、両方とも隠蔽図形や視覚の補足といった視覚の仕組みですが・・、

 ・モーダル補完は、上の画像で、存在しない三角形が見えるということ。つまり、
実際には存在しないものが、周りのものによってあるように錯覚してしまう、という
こと。主観的
に知覚できる視覚現象で、

 ・アモーダル補完は、上の画像では、黒いパックマンのようなものが、実在しない
三角形によって、一部が隠された円盤に見えるということで、対象物の遮蔽部分が
推定できるだけで、明確な主観的感覚は無いものをいっています。  アモーダル=
モダリティが無い知覚。

 更に冒頭の例でいえば、隠された部分の文字が脳の作用(処理)によって補完され
ているということなんですね。

 このような錯視は、色彩、形状、明暗によってもあるとあります。
さらには、音に関しても錯聴というのがあって、こちらも面白い現象が紹介されて
います。

 会報記事では、次のような例を挙げています。

 「吾輩は猫である」と喋った時の波形を、一部分間欠的に削除してしまうと、ブツ
ブツと音が途切れて何を言っているのか分からなくなります。ところがこのブツブツと
途切れた部分に「ザー」という雑音を挿入すると、不思議なことに雑音の中から
「吾輩は猫である」が再現されるのです。
 脳が途切れたはずの音声の部分を作り出して元の発音が再現されるのです。この
現象は「音素修復」と呼ばれ、無音の区間が空白の場合はこの「音素修復」は行われ
ず、雑音で聞こえにくくなっていると想定できるような状況で行われるのだとあり
ます。

 また、電子音の「ピ」という音を「ピ ピ ピ ピ」という断続音とすれば当然
「ピ ピ ピ ピ」と聞こえますが、この無音区間に「ザー」という雑音を挿入する
と、雑音と共に「ピ―――」という連続した電子音が聞こえるのです。欠けた電子音
を脳は補完しているのです。

 

 以上が、ご紹介したいところでしたが、会報には、更に面白い事例が紹介されて
いました。 
 これは、かってのテレビ番組「タモリ倶楽部」の『空耳アワー』で放送された中
から、外国語で歌われた歌詞が元の歌詞と全く違う意味の日本語で聞こえる‥という
ものなんです。

 名曲『ワイルドで行こう』の冒頭の歌詞『Get your motor runnin’』と歌われる
部分が、なぜか『いつものラーメン』と聞こえるそうです。そして、ひとたびこの
ように聞こえてしまうと、次からは何度聞いても『いつものラーメン』としか聞こえ
ないのだそうです。

 『お金ないでしょ』は、セブン銀行のATMで現金を下ろすときに、操作音として短い
メロディーが流れるそうです。 このピアノ音色の『タララリラリラリー』が『お金
ないでしょ』と聞こえた人がいたそうです。
 一度このように聞こえたら最後、何度聞いても『お金ないでしょ』となるようで、
このことがSNSで拡散されてしまった。そんなお話で、もともとの『タララリラリラ
リー』と聞こえていた人も、これを聞いた後は『お金ないでしょ』としか聞こえなく
なってしまうそうです。

 そういえば、想い出しました。ジョン万次郎の英語で、What time is it now? は
『掘った芋 いじったな!』

 

 

 

TOKYO MX(BS)で、2013.4に放送された科学ドキュメンタリー『ガリレオ ch』から・・

【錯覚の謎】なぜ脳はだまされるのか?「錯覚」から見える脳の戦略 | ガリレオX 第51回

 

 

 

コメント (2)
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