さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

幹事の山下君はいずこに 2

2011年12月29日 | らくがき

さて大先輩のTさんと連れ立って、わたしは暗い温泉街を歩き出した。

すぐに怪しいネオンが目に留まる。

スナックあけみ とかいう看板。こういう店のドアは中が見えない。

こんなとこ、どうやって入るんですかぁ。コワイですよぉ。。。(゜゜)

心配すんな^^ 「山下君」が先にいるかどうかってやるんだよ。見てろって^^

 ・・・山下君(゜゜)?

Tさんはためらいもせずにドアを開ける。なかは薄暗く、艶めかしい照明の下にバー・カウンターが見えた。その向こうには夜の女性が…

すみません、山下が来てませんか?

えっ?来てませんけど…。
 
(化粧厚塗りのおばさん、いやおばーさんがひとり返事をする)

おかしいな。幹事が先に来てるって言ってたんだけど。。。
ここ、いくらくらいで遊べるのかな。歌も歌える?
・・・わかりました。また来ます^^ 山下どうしたのかなぁ…。

・・・とTさんは店の外に出てきた。

こりゃダメだよ。次いこう!

 すごい作戦だ… ( ゜Д゜)y-~~

次の怪しいドアも、迷わずTさんは開けてゆく。

おっ!

怪しいドアを開けたとたん、いきなり狭い階段。
それがずっと下に続いており、降りきったところにまたドア。

な・なんだ、これは・・・

と言いつつ、Tさんはずんずん降りてゆき、2つ目のドアを開けた。

また怪しい明かりが目に入り、ぼんやり第二のおばーさんが「いらっしゃい」と返事をする。

おばけ屋敷でも、ここまで凝った造りはしていない。キャストも超一流のメイクである。

しかしTさんは、開けたドアをいきなり閉めるようなことはしない。こいつぁ一瞬で入るはずがねえ、とわかっていながら、ふたたび「山下君」である。

おかしーなー。山下が先に来てるって言ってたんだけど…

わたしは怪談、いや階段の途中で腹がよじれていた。

地獄につながっているような、脱出不可能と思わせる恐るべき狭く急な階段で、わたしは必死に笑い声を抑えながら、先に外に這い出したのである。

(^益^)ノ つづく