10月4日の日曜日、鈴鹿サーキットへF1日本GP決勝レースを見に行きました。
僕の場合、中嶋悟がロータスでセナと組んでF1デビューを果たした年から皆勤賞モノで、毎年必ず一度はF1レースをナマで観ています。学生時代は木曜日の夜から鈴鹿サーキットに行き、駐車場にテントを張って金曜日のフリー走行から日曜日の決勝レースまでフル観戦をしていました。鈴鹿と岡山で年に2回開催された年は岡山を選びました。セナが亡くなる前のレースが岡山パシフィックGPで、僕の席のすぐ前でセナがコース・アウトし、歩く姿を見たのは強く印象に残っています。仕事で決勝の日に鈴鹿に行けなかった年は、土曜日の予選を見に 行きました。今回のように土曜日の予選を見られない時は、日曜日の決勝レースだけを観に行きました。
<交通手段>
これまで、クルマ、電車、バス、ツアーといろいろな手段を試してきました。その結果、僕にとって決勝レースだけの観戦の場合の最良の手段は、往路は電車、復路はバスというのがベストということになっています。
今回は、名古屋までを名鉄(地下鉄相互乗り入れ)で、名古屋から白子までを近鉄特急、白子からは直行バスとしました。あらかじめ予約しておいたのは、7:40発白子行き特急(臨時)の全席指定の特急券です。6時少し前にクルマで家を出て、名鉄豊田線浄水駅の駐車場(1日600円)にクルマを止め、6:20の名鉄電車で名古屋に向かいました。近鉄名古屋駅でコーヒーと朝食の弁当を買い、ゆったりした近鉄特急の車内で朝食にしました。白子に着いたのは8;24で、駅を出るとサーキット直行の三重交通バスが並んでいて、そのままサーキット入りしました。バスのコースも途中にバス専用仮設道路があり、わずか15分でサーキットに着きました。
帰る時は、10万人くらいが一斉にサーキットを後にします。今までの経験では、クルマだと 駐車場を出るのに1時間以上はかかります。白子行きのバスも渋滞し、ピストン輸送のバスがなかなか戻ってきません。そこで、三重交通バスのF1エキスプレスという名古屋行きのバスを予約しておきました。電車と比べてやや割高で2500円(電車は特急券も含めて1280円)ですが、バスに乗ってしまえば名古屋までノンストップというのは魅力的です。寝ていても名古屋に着きます。今回は4:45に出発し、名古屋駅に着いたのが7;15でした。約2時間半かかりましたが、7時くらいに着けば食事をして帰っても9時半くらいには家に着きました。
<タイム・スケジュール>
最初のレースがサポート・レースのポルシェ・カップで、11;30スタートです。30分前にはマシンがコースインしますから、9時ころから11時くらいまでの2時間はほぼ買い物タイムになります。今回はフェラーリのフリースと愛車スーパーカブに貼るステッカーと、お土産用のトヨタF1テディベア(小)を買いました。トヨタブースの前でトヨタ応援用の小旗をもらいました。忘れてはいけないのがお昼ご飯です。お昼ころは店の前には何10mもの人の列ができますが、10時ころならすぐに買うことができます。それからプログラムです。ところが、今回は9時の時点で売り切れでした。決勝日の朝にプログラムが完売とは、ちょっと人をバカにしていませんか?もう一つはお茶などの飲み物です。快晴の青空は清々しくていいのですが、まだまだ日差しも強く、1日で思いっきり腕を日焼けしてしまいました。決勝レース直前はコカコーラの店の前には行列ができ、アクエリアスは売り切れでした。
11時にポルシェカップのマシンがコースインし、観戦席でスタートを待ちます。11:30に10周のレースがスタートし、まずはサポートレース観戦です。写真が趣味という人は、ここで練習やチェックをしておくとよいと思います。僕も、以前はそうしていましたが、今はレースでの写真はコンパクト・カメラだけです。
12:15からセレモニーが始まります。国歌斉唱では、周りにいたすべての人が起立の姿勢で、帽子を取って国家を聴いていました。日本人の国をアイする心はまだまだ捨てたもんではありません。
続いて、ドライバーズ・パレードです。私服の選手たちが往年の名車と言われるオープンカーに乗り、観客に向かって手を振ってコースをゆっくり1周します。エラン、アルファ、ロールス ロイス、ベンツに混じり、トヨタ2000GT(オープンカー)、トヨタ・スポーツ800、パブリカ・コンバーチブルもパレードに加わっていました。
ここでまた、13:30のF1マシンのコースインまで、少しだけ買い物の時間があります。僕は、この時間にあらかじめ買っておいた焼きそばを食べ、、それからショップをぶらぶらしました。
13:30を過ぎると、轟音を轟かせてF1マシンがピットを離れてコースに入ります。そして、選手紹介が行われ、14:00にレースが始まりました。
レースが終わって表彰式が行われ、だいたい16時過ぎには観客席を後にします。まだまだ ショップは開いていますが、ここは早めにバス乗り場に行った方が賢明です。
だいたい、こんな感じで1日を過ごしました。
<観戦場所>
前回までは、最終コーナー手前のシケイン席で観戦していました。高速コーナーを全開で曲がったマシンがシケインの飛び込みでフル・ブレーキング、このブレーキの使い方で前車をパスするポイントとなるのです。300㎞/h近い速度から一気に70~80㎞/hまで急減速する迫力と追い抜く迫力はばつぐんです。僕のお気に入りのビュー・ポイントとなっていました。ところが、今回はなぜかシケイン席の値段がめちゃ高くなっていて2人で10万円以上ではとても手が出ませんでした。それで、今回はストレート・エンドの最高速が出る所で観戦しました。
ピットの出口と第1コーナーの中間地点で、僕の前を全速力で通ったところで減速してカーブに進入するというシーンですが、あまりにも速すぎてカーナンバーを確認できないくらいでし た。その代わり、スピードの迫力は満点で、サポート・レースのポルシェでさえすごくスピード感がありました。世界最高峰のF1マシンたちのスピードは、シケイン席では得られない魅力を感じました。
しかし、あっという間に通り過ぎてしまうため、スピードを落とすRのきついコーナーの方がしっかり観られていいのかなあと、ここは迷うところです。値段を考えなければ、迷わず第1コーナーの上段を選びます。でも、高すぎて僕にはとてもチケットが買えません。
<応援>
我が家の愛車はトヨタのVOXYと、無謀にも後先考えずに買ったメルセデスのCLKです。当然、応援するのはトヨタとマクラーレン・メルセデス、そしてF1ファンなら誰もが応援するフェラーリの3チームです。僕のなかでの比率は、だいたいトヨタ65%、マクラーレン25%、フェラーリ10%といったところかなあと思います。去年は優勝のほとんどがマクラーレンかフェラーリだったので、毎レース気持ちよくTV観戦ができました。ところが、今年はなぜかブラウン対レッドブルの優勝争いが続き、イマイチ消化不良ぎみでF1を観ています。それで、今はただただトヨタの初優勝を夢見ながらF1を観てきました。
スタンドでは、ほとんどの人が応援するチームの出で立ちであったり、グッズを身につけていたりします。やっぱりフェラーリ・ファンが多いのがスタンドの色で分かります。ホンダの撤退で生まれたブラウンのTシャツやキャップも目立ちました。フェラーリの次に多いのが、トヨタです。ただ一つの日本のチームです。市販車を作らせれば超一流の会社も、F1となるとそうはいきません。先週のシンガポールGPでは2位でフィニッシュしており、今度こそ!という大きな期待もありました。
僕の出で立ちは、トヨタのTシャツに、トヨタのキャップに、トヨタのポシェットに、トヨタのパス・ケース、そしてトヨタのブースでもらったトヨタの小旗と、トヨタ一色です。ただ、この姿では街は歩けません。
<決勝レース>
トヨタのトゥルーリは予選第2位。3位がカーズを搭載したマクラーレンなので、おそらくマクラーレンがスタートで一気にトップに出るだろうと予想していました。そして、ほぼ予想どおりマクラーレンのダッシュはすばらしいもので、第1コーナーでトップのレッドブルのベッテルに並びかけました。
序盤はずっとベッテル~ハミルトン~トィルーリの順でほぼ等間隔で4位以下を引き離しながら周回を重ねていきました。とにかく、ベッテルは速い!それでもベッテルに食らいついていく2台にも感動しながら観戦しました。トヨタの初優勝を夢見る僕は、ほとんど4位以下には目が行きませんでした。なんとかハミルトンを抜いてベッテルについていけば、ひょっとしたら優勝も可能と思いながら応援しました。
1回目の給油を終えても、順位も間隔もほとんど変わらず、トップ3台だけがハイペースで周 回を重ねていました。それでも、じわじわとわずかずつベッテルと2位のハミルトンの間隔が広がってきました。早くハミルトンをパスしないとトヨタが2位に上がっても追いつけないと思うと、気が気でない思いで見ているうちに、2度目のピットインが始まりました。
まずはハミルトンです。給油を終えると、4位でレースに復帰しました。しばらくしてトヨタのトゥルーリがピットイン。残り周回数が少ない分だけ、給油時間が短くなります。トゥルーリがピットを離れた時、マクラーレンが姿を現しました。どっちが前になるか手に汗握るシーンを目の前で見ることができました。わずかにトヨタが前、マクラーレンが後ろとなり、順位が逆転しました。
2番手に上がったロズベルグ(ウィリアムズ・トヨタ)がピットインの時期を迎え、終盤はベッテル~トゥルーリ~ハミルトンの順位で周回を重ねていました。そして、その差も少しずつ離れ、このままの順位でゴールインと思われた残り10周ほどになった時、なんとトロロッソの1台がクラッシュし、セーフティカーが入ったのです。これで一気に差はなくなり、再スタートでベッテルを抜けば初優勝です。ただ、周回遅れのルノーのグロージャンが間に入っています。差を開いた後ろのハミルトンはトゥルーリのすぐ後ろにつきました。マクラーレンは瞬間的にパワ ーを発揮できるカーズを搭載しているので、トゥルーリがグロージャンの後ろでもたついたら確実に抜かれます。
残り4周というところで再スタートが切られました。トゥルーリはグロージャンが間に入ったためにベッテルを抜くことはできません。それでも、ハミルトンを押えることはでき、2位を守ることはできました。そのまま、ベッテル並みの速さでハミルトンを引き離し、トヨタは2位でフィニッシュしました。
ベッテルの速さは本物でした。それについていったトゥルーリもさすがです。トヨタの初優勝はなりませんでしたが、十分満足できるレースを観ることができました。
優勝おめでとう、ベッテル!
よくやった、トヨタ!トゥルーリ!