信号待ちですごく古いターセルが隣に止まりました。車内には、80歳前後と思われる老夫婦が乗っていました。僕の前をゆっくり走っていたクルマです。右折車線で隣に並ぶ時、リアに高齢者のステッカーが貼られているのを見ました。10年以上も前のクルマです。お年寄りのマイカーなので、おそらく走行距離も少なく、まだまだ乗れるということで長く使っているのだと思います。おそらく年金で生活されていらっしゃるご夫婦と思われますから、まだまだ乗れるクルマを100万も200万もの大金を払ってそうそう新車に替えることはしないと思います。
ところが、古いターセルは今時のエコ・エンジンではないため、エコカー減税もエコカー補 助金も受けられません。年金で生活されていると思われる老夫婦が、優遇税制を受けられず通常の高い税金を払って古いターセルに乗っているのです。それほど走行距離も多くないと思われますから、リッターあたりの燃費は悪くても実質的な燃料使用量は少ないはずです。つまり、常時使っているエコカーよりずっとエコなはずなのです。
なぜか今は、超高級ブランドのレクサスでさえ、優遇税制適用で安い課税なのです。僕が7月に買った高級ブランドの輸入車もエコ・エンジンに加えアイドリング・ストップ機能などもついていたりして、エコカー減税対象車でした。もちろんエコカー補助金ももらえます。環境に優 しいクルマなのです。
このように、ピカピカの新車のほとんどが優遇措置で安い課税なのです。ところが、僕が出会った老夫婦が長年乗り続けている古いターセルは減税されていないのです。なんかヘンだなあと思いました。クルマを1台作り上げるのにかかるエネルギーはかなりのものだと思われます。それを考えると、こうした古いクルマこそ優遇されるべきだと思います。確かに、新車が売れるのは経済の活性化になります。それもすごく大事です。豊田市在住の僕にとってはすごくすごく大事です。が、エコと景気回復は別物なのです。
時々、高速道路を猛スピードで走るプリウスを見かけます。プリウスに搭載されているエンジンも補助的に使えばエコですが、ブン回して走ればエコではありません。エンジンもモーターもフル回転で走るような運転をするということは、エコ意識など微塵もなく、言い換えれば脱税行為をしているということになるような気がします。
今や、新車のほとんどがエコカー対象車と聞きます。この日出会った老夫婦の古いターセルを見て、ピカピカの新車だけが安い税負担という現状にすごく不思議さを感じました。
ちなみに、僕の家では、家族4人、5年前~13年前のクルマなので、減税無しの優良納 税者になっていました。「フンッ!」と言いつつ、前記のように、ついに7年前のクルマを、50%減税+10万円のエコカー補助金の新車に買い替えました。老夫婦が乗られていた古いターセルのことを思うと大きな矛盾を感じます。矛盾を感じながらも、減税も補助金もうれしくなっちゃうのです。
な~んかヘンだなあ。やっぱり、古いクルマを長く乗り続けるのもすごくエコな行為だと思うのですが・・・。そして、もっと大切なことは、エコを意識した運転をするかどうかだと思います。
*写真上;僕が見た老夫婦の乗るターセルの同型車(yahoo画像で公開されている画像)
*写真中;7月に買ったばかりの我が家のファーストカー(エコカー減税・エコカー補助金対象車)
*写真下;1999年式(13年前)の僕の大事な足になっている古~いクルマ