2012年7月1日に納車されたメルセデスベンツCクラス・C200AMGスポーツパッケージも、3か月近くの月日が経ち、走行距離も2700㎞ほどになりました。予定していたドレスアップは今のところ保留となっているので、2か月半経った今もノーマル仕様のままの状態です。
<走り・乗り味:やや硬めのスポーティーな足回り>
走りや乗り味に関しては、前車が1クラス上のクーペCLKだったため、前車の方が上質 な感じはします。街乗りで固めに感じる足回りも、前車はローダウン・スポーツサスに前輪40%後輪35%扁平(16→18インチにインチアップ)のタイヤに履き替えていたにもかかわらず、しっとり感があり、ノーマルの新Cクラスの方がごつごつ感があります。AMGスポーツパッケージ車なので標準仕様車よりは硬めのサスですが、タイヤ・ホイールは前輪45%後輪40%扁平(17インチ)と前車よりおとなしい仕様になっています。感覚的には、CLKが時速40㎞くらいから固めの足がぴたっとしたしっとりした足に変わっていくのが、新Cクラスは60㎞くらいからという感じです。だからと言って、決して乗り心地が悪いわけではなく、4ドアセダンとして、後席に乗っている人が不快に思うようなことは絶対にありません。よく出来た足回りです。これが長距離走行となると、この適度な硬さが快適な乗り心地となり、長時間走り続けても腰が痛くなったり、疲れを感じたりというようなことはありません。ハンドリングがとても素直で、スムーズさとクイックさを兼ね備え、運転にストレスを感じるようなことがまったくないのです。この感覚は特筆モノかもしれません。仕事で疲れた帰り道に、Cクラスの車内空間はとてもリラックスできるのです。
<トラブル;アイドリング・ストップ機能>
トラブルは一度だけありました。アイドリング・ストップ機能が付いているのですが、一度だけ、仕事帰りの信号待ちでエンジンがストップしていて、ブレーキから足を離したらエンジンがかかるはずがかからなかったことがありました。つまり、クルマは止まりっぱなし。これにはビビリました。僕の後ろは大渋滞です。手で後続車に先に行くよう合図を出し、しばらくどうしようか考えました。結局、今まで走ったことはチャラにして、キーを抜き、チェンジはPにし、サイドブレーキをかけ、「さあ、今から乗って走るぞ」状態にしてエンジンをかけたところ、見事にかかりました。見事にと言うより、何事もなかったかのようにかかりました。それからはアイドリング・ストップ機能をオフにし、信号待ちでもアイドリング状態を保つようにして家に帰りました。ディーラーのヤナセさんはすぐに代車を用意して対応してくださり、結局コンピュータ基盤を 丸ごと交換したそうです。その後はトラブルはありませんが、頭のどこかにトラウマのように残っていて、今も信号で止まるたびに「ちゃんとエンジンがかかるかなあ」と思いながらブレーキから足を離しています。そして、朝夕の渋滞時は、「ここでかからなかったら大変」という思いがして、今なおアイドリング・ストップ機能をオフにしています。
<燃費;大幅な改善に満足>
燃費はものすごく改善されています。前車も新Cクラスも同じ1.8Lの排気量です。前車はスーパーチャージャーが付いて160馬力程度でしたが、新CクラスC200はターボチャージャーとなって184馬力とパワーアップしています。僕は毎朝11㎞の距離を50分くらいかけて通勤しています。クルマの街の朝はどこも渋滞渋滞でたまりません。だから、通勤だけの時はリッター7㎞弱という低燃費でした。それが、新C200にしたらリッター8㎞程度になりました。高速道路中心の富士五湖ドライブでは、なんとリッター14㎞を超えていました。前車はせいぜい11~12㎞でしたから、これはすごい進歩です。さすがエコカー減税、エコカー補助金対象車です。
<居住性;快適な車室空間>
何よりもよかったのが、年老いた両親がゆったりと乗れる後席の居住性です。全長4,6mほどの小型車サイズで、幅もライバル他車よりも3~5㎝も狭いにもかかわらず、それを感じさせない車室空間です。実寸法は他車より小さいかもしれませんが、不満のないレベルどころか必要十分な広さです。さらに、ドライバーにとっては固めに感じる乗り心地も後席では程よいレベルのようなのです。これは、セダン作り100年超の成せる技なのでしょう。
<その他>
そのほか、細かなことでいくつか気になる点がありま す。
○シートベルト;最初の「ギュッ」と安心感
まず、シートベルトです。シートベルトを着装すると、まずギュッと体がきつく締め付けられます。おそらく、体格か着座位置かをコンピュータがチェックし、緊急時に体を最適な強さで固定するためだと思います。一瞬のことで、すぐに緩みますからどうってことはないのですが、はじめの1か月間くらいはシートベルトをするたびに、「グェッ」と声が出そうになっていました。超安全設計の親切設計の賜物だと思いますが、慣れるまではびっくりします。今はもうすっかり慣れてしまい、ぎゅっと締め付けられると「さあ、走るぞ」という気持ちになります。ただ、初めて助手席に乗る人には、「一度ぎゅっと締め付けられるから」と声をかけるようにしています。僕から聞いていても、みんなびっくりされます。
○ヘッドライト;これは便利
次に、ヘッドライトが自動で上降する機能です。通常は下向きにしていますが、対向車がいない時には自動でスムーズに上向きになり、対向車を関知すると自動ですうーっと下がってきます。だから、下向きのままでも、対向車がいなければ遠くまで照らし、対向車が現れるとすっと手前だけを照らすようになります。クルマの通りの少ないローカルな道ではすごく重宝します。この作動には不自然さがなく、対向車のパッシングを受けたことはありません。ただ、歩行者を関知するかどうかは気になります。歩行者に眩しい思いをさせていないかという心配はあります。
○小回り;ヴィッツ並み!
小回りの効きは特筆ものです。名古屋市内の片側2車線の道を右折車線からUターンすることになった時のことです。前を走るヴィッツがぎりぎりでUターンしているのを見て「1回、切り返しが必要かなあ」と思いながらハンドルを切ると、ほぼヴィッツと同じ軌跡でUターンできました。前車のCLKもそうでしたが、コンパクトカー並みの回転半径にはよく驚かされます。
○オート・ワイパー;ちょっとヘン
オート・ワイパーは、相変わらずおバカです。前車のCLKでは、たまに炎天下でワイパー が動き出すこともありましたが、それと比べれば少しはマシになってはいます。しかし、普通の雨で突然速く動き始めたり、間欠の間隔が雨量の割に広くなったりして、右折で「さあ行こう」とした時に拭いてなかったり。きっとセンサーの位置に起因しているのでしょう。オートなので、楽は楽なのですが。
○オート・ヘッドライト;唯一の欠点
細かなことでもっとも不満なのがライトのON・OFFスイッチが無いことです。まだ誰もライトを点灯していない曇り空の夕方に僕だけライトを灯していることもよくあります。前を走るクルマのドライバーはきっとすごくイヤな気持ちになっていることでしょう。小ベンツとは言っても、黒塗りのCクラスはフロントグリルも相当迫力がありますから。消せなくても消せないというのもかなりつらいのです。ライトのON・OFFくらい、自分で操作したいものです。ちなみに、CLKもオートでしたが、OFFスイッチがありましたから、勝手に点いても自分の意志で消すことができました。ただ、感度はゆるやかで、一部の国産高級車のようにガード下を通過するたびにパッシング状態になるようなことはありません。そのあたりはよく出来ていると思います。
<ドレスアップの計画;とにかく足元です>
さて、予定していた前輪225/40後輪255/35―18へのタイヤ・ホイールの履き替えですが、前車CLKとタイヤもホイールもサイズがまったく同じだったので、そのままはめ替えるつもりでしたが、なんと、ボルトの穴が前車より2㎜太いということで、ホイールを替えないと付けられないことが分かりました。まさか、穴の太さが違うとはと、すごくショックでした。新しく買うとしても、AMGのホイールは4本セットで40数万円もします。今の僕んちの家計ではとても無理な金額です。F1レッドブルチームが採用しているOZ製(社外品)も考えましたが、それでも40万近い金額でした。そのため、今なおノーマルのまま乗っているのです。
そんなこんなで悩んでいるうちに、2013年モデルが発表されました。C200はすべてグレードが上級グレードのC200アバンギャルドとなり、ホイールは僕のクルマと同じAMGスポーツパッケージの17インチが標準装備になりました。そして、AMGスポーツパッケージプラス仕様にするとAMG18インチが着くことになりました。その純正AMG18インチホイールが38万円とのことで、やっぱり高すぎます。先日、担当セールスから買い手の決まっていない在庫品の純正AMG18インチホイールがあるとの連絡があり、10万円引きでどうかという話がありました。もちろん新品です。まもなくエコカー補助金の10万円が入るはずです。純正オプションのホイールなのであまり派手さはありませんが、さりげないドレスアップということで、ま あまあ僕の好みに近いものになるのではないかと思っています。と言うことで、発注してしまいました。そして、それに合わせて車高を若干下げることにしました。ローダウンサスは1㎝5㎜前後の小幅のダウンにとどめます。もちろん車検対応となるようディーラーをとおしての改造とし、ペタンという下品な低さにせずに「あれっ、ちょっと違うぞ」と気づく人にだけ気づいてもらえる程度のローダウンにするつもりです。これは、前車CLKも同じようにしていたので、きっといい感じになると思います。
<そして、今>
このように、購入後最初のインプレッションとしてはおおむね買い替えてよかったと思えるような印象で、今後のドレスアップの計画を楽しんでいます。気になるのはアイドリングストップ機能だけで、こればかりは「ちゃんとエンジンかかるかなあ」と心配しながらの信号待ちが続いています。