僕のツーリングの相棒はほとんど妻です。ZRX1200ダエグとCB400SBの2台で、バイクライフを楽しんでいます。いっしょに走るようになったのは、もう25年くらい前のことです。僕はGPZ250ベルトドライブ。カマキリのような250Rになる前のオーソドックスなデザインのバイクでした。妻はCBX250S。単気筒125Fの250バージョンでした。その後、僕はGPZ600R~900R(Ninja)~ZRX1100~そして今のダエグへと乗り継いできました。妻は、GP Z250R~ZZR250~そして今のCB400SBです。地元の東海地方はもとより、九州、四国、中国、近畿、東北数回、北海道は数知れずと、この四半世紀にバイクとともに多くの思い出を作ってきました。
ところが、当たり前のことですが、信号待ちと目的地、休憩地点以外は全く会話がありません。
「わっ、あれ見て!」「そろそろお昼にする?」「トイレ行きたい」「カーブ、気をつけて」「ミニが来た!」「海が見える~」「サル!サル!サル!」など、ツーリング中に走っていて伝えたいことがいっぱいあります。
前置きが長くなりました。実は、ずっと迷っていたのです。B-comの購入を。安いのは心配だし、国産は高いし・・・。それに、しゃべらなくても手のサインでだいたい通じてたし。
購入を決意したのは楽天イーグルスがリーグ優勝した時でした。「ひょっとしたら楽天市場で大特価」なんと思って調べていくと、優勝だからというわけではありませんが、案外安く売られているのがありました。中にはペア・セットが3万円程度(韓国製)のもありました。雑誌でも出ていましたが、国産品(サインハウス)が1台3万数千円。その差はかなり大きく、2台セ ットにすれば価格は2倍以上です。
そこで見つけたのが、「サインハウス B+COM3 ペア SB213.EVOBluetoothワイヤレスインカム・ビーコム3 ペアユニット」45000円。しかも、楽天ポイント4500点(4500円分)。これまでのポイントもあったので、送料込みで40000円(ポイント還元で35500円?)で国産のペア・ユニットを手に入れたのです。
取り付けはそれほど難しくはありませんでした。説明書はやや不親切な図と感じるような簡素なものでしたが、それで十分理解でき、ヘルメットへの本体、マイク、スピーカーの固定や、配線の接続はできました。問題は、2台の周波数を合わせることでした。初期設定をし、2台並べてボタンを押すだけなのですが、初期設定の操作と混乱してしまい、長押しをして電源が切れたり、その都度説明書を見る始末。操作そのものは簡単なので、きっと僕がどんくさいだけだと思います。
取り付けて最初の日曜日は岐阜県旧上矢作町(恵那市)へ、先々週は長野県平谷村の温泉に、そして翌週は奥三河の設楽町界隈へ半日のツーリングに出かけました。
やっぱり、走っている時に妻と話ができるというのはいいものです。実際に使ってみると、伝えたいことが瞬時に伝えられることの楽しさがすごく実感できるのです。グローブをはめたままで操作できるスイッチはとてもうまくできていて、ヘルメットを被ってから電源を入れられるのです。ほんのわずかな雑音は拾いますが、まったくと言っていいほど気になりません。 スピーカーから聞こえる妻の声も鮮明です。十分満足できる性能で、あくびの音さえ入ってきます。
「なに、今の『ふわ~』って。」
「あくび!」
そんな感じなので、独り言も言えません。
僕はツーリング中、よくヘルメットの中で口笛を吹いています。さすがに、それだけは「うるさい」と言われそうなので、これからはだまって走ることになってしまいました。これは、大きな問題ではありません。
欠点としては、当然のことですが2台の距離が離れてしまうと聞こえなくなります。そういう時は、「ペースを落としなさい」という意味と解釈することにしました。それから、これははっきりしないのですが、ある程度スピードが上がると聞こえなくなるような感じがします。高速道路で試していないので、速度と距離の関係はよくつかめません。つまり、速度が速い時に時々不通になることがあるのですが、僕がペースを上げたために妻との距離が長くなって不通に なるのかもしれません。
このように、多少は気になることもありますが、もっと早く着ければよかったと思えるパーツだったことは確かです。ただ、眼鏡を使っているため、両耳に薄いスピーカーが付いたため耳に少しだけ圧迫感はあります。痛くはないので、慣れの問題という程度だとは思います。