座間入谷に日蓮宗の寺院「休息山円教寺」はある。日蓮上人が文永2年(1271)龍の口法難の後に厚木の依知郷に赴く途中で鈴木弥太郎貞勝の屋敷で休息。この寺の起源は日蓮に帰依した貞勝が円教坊と改めたことによる。建治2年(1275)貞勝は自邸屋敷を献上して寺の建立を発願、日蓮上人が開山、円教坊が開基となり「円教寺」が創建とされる。本尊は十界曼荼羅二軸、釈迦像2体。この寺には市の重文財の佐々木掛け「鐙」が保存されている。「山門」を潜ると境内正面に入り母屋づくりの「本堂」、「鐘楼」、「祖師堂」、そして境内外に番神水湧水がある「三十番神堂」、そして当寺から300m先に大き立派な日蓮上人立像が円教寺を見下ろすように建てられている「法華塚」がある。(1902)
座間市内を南北に座間丘陵が走っていることから湧水点が多くある。西に中津原段丘面、下に田名原段丘面、更にその西には相模川のつくる沖積低地が広がる。湧水は「崖下タイプ」か「谷頭タイプ」に別れるが、座間の湧水も中津原段丘崖線下より湧き出るもの、台地面の谷奥=谷頭より湧き出るものに大別される。市内には相模川湧水、「番神水湧水」、鈴鹿の泉湧水、「龍源院湧水」、「心岩寺湧水」、神井戸湧水、根下南湧水、大下湧水、いっぺい窪湧水、芹沢川護岸から湧き出す湧水、第三水源湧水、第三水源脇の湧水、)目久尻川護岸から湧き出す湧水、入りの谷戸上湧水、谷戸山公園内の湧水と15ヶ所も点在する。その中の一つ「番神水公園」は入谷「円教寺」先の段丘下にある祠「番神堂」の裏手から湧き出す。今も夏季には660トン、冬季には27トンの水がこんこんと湧き出している。湧水池には赤白の鯉が数匹優雅に泳いでいた。(1902)