相模原市南区下溝に四季の花が絶えない「県立相模原公園」はある。終焉を迎えた桜の女王「ソメイヨシノ」からバトンを受けてハナミズキ、ツツジ、ハナモモ、フジが咲き出して彩りが増してきた。実咲庭園の一画では「イングリッシュブルーベル」が青い釣り鐘型の可愛らしい花を7披露中である。キジカクシ科ヒアシントイデスの草花である。開花はちょうど今頃の4月、花色には青、白、ピンクがある。ヒアシンソイデス・ノンスクリプタ、ツリガネズイセンとも呼ばれるとか。釣り鐘形で花びらの先端が外側に丸くカールしておりなんとも可愛らしいブルーベルである。春、多くの北西ヨーロッパの森林床は群生して咲くこの「ブルーベル」の青いカーペットに覆われることから「Bluebell wood」(ブルーベルの森)と呼ばれている。(2304)
座間市栗原中央に真宗高田派寺院「法林山専福寺」は鎮座する。創建は不詳ながら村人が建立、了山の開基と伝えられる。境内には明治12年(1879)に栗原小学校が設置されているのでそれ以前と推定される。真宗高田派は三重県津市の専修寺を本山とする浄土真宗の一派である。親鸞の門弟「真仏」、「顕智」が率いる下野国高田の専修寺を中心とする高田門徒の流れを汲む。末寺数は約640寺。本尊は阿弥陀如来。県道44号線、246号線前の立野台信号を左折、坂の右に建てられている「寺号標」を抜けると正面に銅板葺き入り母屋造りの「本堂」、左に「庫裏」がある。境内右手に「如来像」と史跡となっている「栗原小学校跡地」の説明版が建てられている。この間70年間栗原地区の児童はここに学びここを基盤に成長していった。学校の開校を祝して「山岡鉄舟」が来村し「栗原学校」の文字を揮亳した。この扁額はいまも保存されている。(2304)
大和駅からプロムナードを進むと「泉の森」に至る入口にあるのが「ふれあいの森」である。水と緑と花をテーマとした「親水広場」、「グリーンアップセンター」、「ふれあい広場」、「緑の見本園」、「台湾亭四阿」の施設がある。春には数万株の芝桜とチューリップが美しい公園である。園内の一画に一見「竜宮城の門」のような鉄筋コンクリート製の6角形で、高さは「基壇部」を含めると約10m、東屋のような「台湾亭」という鮮やかな建造物がある。6本の柱や梁部は朱色、屋根瓦は濃緑色、天井部は黄色に塗られている。これは第二次世界大戦中に将来の航空技師を夢見て「台湾少年工」8,400名が高座海軍工廠で戦闘機「雷電」の製作に従事していた。その当時の工廠は現在の座間市栗原にあり、寄宿舎が大和市上草柳にあった。敗戦により夢破れ帰国した少年工はその高い技術と精神力により台湾工業化の中核として活躍、1993年に彼らが「第二の故郷」と呼ぶ大和市を50年ぶりに訪日時、台湾少年工の同窓組織「台湾高座会」から日台の友好親善と世界平和を祈念し1997年大和市へ寄贈された建物が現在「ふれあいの森」に残っている。(2304)