東海道線を跨ぐ青木橋際の高島台に横浜市内有数の古刹、樹木に覆われた曹洞宗寺院(以前は臨済宗)「青木山本覚寺」は鎮座している。創建は嘉禄2年(1226)。本尊は地蔵菩薩像。ここはもと「青木城跡」であり、また江戸末期(安政6年=1859)幕末の横浜開港時には神奈川宿の多くの寺院は各国の領事館に接収され、本覚寺は横浜港が一望できることから3年間「アメリカ領事館」、米国公使ハリスの宿所となった。当時の伽藍は本堂、地蔵堂、観音堂、客殿、衆寮、庫裡、鐘楼、総門、中門、裏門など有していたが、昭和20年の横浜大空襲で当寺の堂宇は殆ど消失した。奈良時代の僧、行基の作と伝えられた本尊地蔵菩薩像も灰となり、鐘楼堂と山門のみが残った。緩やかな参道を上っていくと「山門」前右手に「史蹟アメリカ領事館跡」の碑と「開港史跡」が建てられている。寺号標と古びた「山門」を抜けると正面に鉄筋コンクリート造りの「本堂」(昭和46年再建)がある。左手に「鐘楼」、右手に「庫裏」、「客殿」、「斎場」と「不動堂」がある。見晴らしのいい高台にある閑静な檀家寺であった。また当寺は旧小机領三十三所子歳観音霊場7番でもある。(2304)






