手先の器用な自分の将来像が描けない高専の3年生澄川怜が、同級の先輩(留年生)に誘われて大潟村でのソーラーカーレースに参加し、最初はいやいや修理担当をしていたのが、次第にのめり込んでいく青春小説。
ソーラーカーがテーマなので、時折、エコについての議論が挟み込まれています。しかし、作品としては、カーレースとレーシングチームを素材にした青春恋愛・友情小説と見た方がいいと思います。
手先が器用で優柔不断な怜と意志は強いが不器用な奈緒の恋愛の進行を、格好良く几帳面な創太、ずぶとい周平、頭がよく雄々しい桃子、ソーラーオタクの美少年瑞生ら個性的なメンバーが取り囲んで人間関係を作っていく、そういう読み物です。怜が奈緒に惹かれていくポイントが、結局容貌が前に付き合っていた彼女に似てるというところに求められそうなところは、ちょっと機になりますが、気持ちの動きは描けていると思います。
ただ、怜の先行きへの遺志が中途半端というか、作品の流れとフィットしないというか、そういう違和感が残りました。

濱野京子 講談社 2009年4月9日発行
ソーラーカーがテーマなので、時折、エコについての議論が挟み込まれています。しかし、作品としては、カーレースとレーシングチームを素材にした青春恋愛・友情小説と見た方がいいと思います。
手先が器用で優柔不断な怜と意志は強いが不器用な奈緒の恋愛の進行を、格好良く几帳面な創太、ずぶとい周平、頭がよく雄々しい桃子、ソーラーオタクの美少年瑞生ら個性的なメンバーが取り囲んで人間関係を作っていく、そういう読み物です。怜が奈緒に惹かれていくポイントが、結局容貌が前に付き合っていた彼女に似てるというところに求められそうなところは、ちょっと機になりますが、気持ちの動きは描けていると思います。
ただ、怜の先行きへの遺志が中途半端というか、作品の流れとフィットしないというか、そういう違和感が残りました。

濱野京子 講談社 2009年4月9日発行