伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

トワイライト10~13

2009-05-24 17:33:35 | 物語・ファンタジー・SF
 超美形の吸血鬼エドワードに求婚され相思相愛状態の原作第1巻から当然に予定されたベラとエドワードの結婚とベラの吸血鬼への転生がようやく実現し、ベラの妊娠、人間と吸血鬼のハーフの娘の誕生、母体を守るためのベラの転生、吸血鬼となったベラの実力発揮、娘の誕生を掟違反と捉えたヴォルトゥーリの遠征とカレン一族の対抗策といった展開で進む恋愛ファンタジーの完結編。
 原作第2巻、第3巻と完結させないための間延びした展開が続けられている感じでしたが、この原作第4巻は展開としては大きくなっています。
 常に能力的には劣位にいたベラが、吸血鬼となってエドワードと対等の能力を手にし、しかも転生直後はパワーではエメットをさえも凌駕するという全能感と爽快さは、エドワードとの結婚の実現や幸せいっぱいの新婚生活をとあわせ/それ以上に、女性読者に満足感を与えそうです。
 しかし、それにもかかわらず、子どもさえ守れば自分はどうなってもいい、愛する人のための自己犠牲という観念がベラの頭を長く占めることが、やはり暗さを投げかけています。「愛する人のためにはすべてを捨てられる私」という自己陶酔感を持つ読者に奉仕しているのかも知れませんが、若年女性に自己犠牲を煽るようで少し嫌な感じがしました。
 ラストは、ベラを主役にして最後に賞賛するためにはこういう展開なんでしょうけど、かなり煽り立てた上でのこの結末はフラストレーションがたまります。
 例によって、原作第4巻の“Breaking Dawn”を日本語版では10巻「ヴァンパイアの花嫁」、11巻「夜明けの守護神」、12巻「不滅の子」、13巻「永遠に抱かれて」の4冊に分けて出版。今回は、新たな試みとしてプロローグを10巻、11巻、12巻に付けています。12巻のプロローグはやはり13巻の後半につながっています。
 日本語版の12巻と13巻では、登場人物紹介のイラストでベラとエドワードの顔がこれまでと少し変わっています。エドワードの目力の強さを映画の主演男優の優しげな目に合わせて少し変えたのでしょうか。


原題:BREAKING DAWN
ステファニー・メイヤー 訳:小原亜美
ヴィレッジブックス
10巻「ヴァンパイアの花嫁」 2008年11月20日発行
11巻「夜明けの守護神」 2008年12月20日発行
12巻「不滅の子」、13巻「永遠に抱かれて」 2009年3月10日発行
原作は2008年
コメント
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