読書に興味を持ち読み通すための技術論を語り、著者の読書観というか愛読書・好む人物を紹介している本。
前半で紹介される技術論は、速読よりも本を読み通す、そのために本に興味を持つことに重点が置かれていて、その点に好感が持てます。著者のプロフィールから著者像をイメージしその著者が語る様子をイメージして読むというのは、映像や講演の好きな人には向いているのかなと思います。私は、そういうの想像すると気が散りそうで、自分には向いていないと思いましたけど。同様に目次をじっくり読むというのも、私は苦手。まえがき重視、まえがきが面白くない本は本文も当然面白くないという点は同意見ですけど。
流行の「速読術」や読書が利益になる金になるという謳い文句の本に対する反発も理解できます。ただそれは読書の目的が趣味・教養なのか、ビジネス(というか仕事のために読まざるを得ない本)なのかによって評価の変わるところで、ある意味仕方がないとも思いますけど。
後半はもっぱら著者の好みの話ですので、これに対する評価も読者の好み次第でしょうね。
大学に入学した年に出た「構造と力」で挫折したというエピソード(179~180ページ)は、共感する人も多いかと思いますが、同時に著者の挙げる好みが三島由紀夫(それも「楯の会」の制服姿をイメージするとか)だとか吉田松陰、徳川家康、「論語」・・・ですから、「構造と力」とは肌が合わなかったという方が適切かも。
著者の言葉で、「製造業はモノを残す仕事です。(略)サービス業とは心に残る仕事にほかなりません。(略)ビルや橋を見ても、それに関わった人たちの顔は浮かんできません。(略)サービス業とは、サービスしてくれた人の顔が浮かんでくる仕事です」(127ページ)というのが、サービス業の一種の仕事をする者として、心に染みました。
一条真也 三五館 2009年10月4日発行
前半で紹介される技術論は、速読よりも本を読み通す、そのために本に興味を持つことに重点が置かれていて、その点に好感が持てます。著者のプロフィールから著者像をイメージしその著者が語る様子をイメージして読むというのは、映像や講演の好きな人には向いているのかなと思います。私は、そういうの想像すると気が散りそうで、自分には向いていないと思いましたけど。同様に目次をじっくり読むというのも、私は苦手。まえがき重視、まえがきが面白くない本は本文も当然面白くないという点は同意見ですけど。
流行の「速読術」や読書が利益になる金になるという謳い文句の本に対する反発も理解できます。ただそれは読書の目的が趣味・教養なのか、ビジネス(というか仕事のために読まざるを得ない本)なのかによって評価の変わるところで、ある意味仕方がないとも思いますけど。
後半はもっぱら著者の好みの話ですので、これに対する評価も読者の好み次第でしょうね。
大学に入学した年に出た「構造と力」で挫折したというエピソード(179~180ページ)は、共感する人も多いかと思いますが、同時に著者の挙げる好みが三島由紀夫(それも「楯の会」の制服姿をイメージするとか)だとか吉田松陰、徳川家康、「論語」・・・ですから、「構造と力」とは肌が合わなかったという方が適切かも。
著者の言葉で、「製造業はモノを残す仕事です。(略)サービス業とは心に残る仕事にほかなりません。(略)ビルや橋を見ても、それに関わった人たちの顔は浮かんできません。(略)サービス業とは、サービスしてくれた人の顔が浮かんでくる仕事です」(127ページ)というのが、サービス業の一種の仕事をする者として、心に染みました。
一条真也 三五館 2009年10月4日発行