伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ヴァンパイレーツ7 目覚めし者たち

2010-08-28 16:04:35 | 物語・ファンタジー・SF
 海賊船(ディアブロ号)と吸血海賊船ヴァンパイレーツ(ノクターン号)とそれらに命を救われた双子の兄弟コナーとグレースの運命で展開するファンタジー。
 7巻はサンクチュアリで愛するローカンの目の治療を続けるグレースと師モッシュ・ズーの元に、ノクターン号で吸血鬼となったジェズとシドリオの反乱が起こり多くのヴァンパイレーツがシドリオの下に走ってそれを止める力もないほど衰弱して倒れた船長がダーシーの手で運び込まれ、作戦遂行の過程で殺人を犯して悩んだ末ディアブロ号を去ることを決めチェン・リーの新たな船の乗組員となることにしたコナーが訪れてサンクチュアリに集合し、他方サンクチュアリでも反乱が起こって治療中のヴァンパイレーツの一部がシドリオの下に合流するという展開を見ます。
 グレースサイドでもコナーサイドでも最初に絶対的存在と見えた2人の船長が偶像たり得なくなりますが、グレースにはモッシュ・ズー、コナーにはチェン・リーという新たな師が現れ、グレースとコナーの成長という点よりも新たな展開という印象になります。ただ2人とも絶対的存在というよりはより人間的友好的な先達という位置づけで、その分グレースとコナーの成長を感じさせるものではありますが。
 これまで原書の1巻を日本語版1巻と2巻、原書の2巻を日本語版の3巻と4巻(原作の1巻と2巻の間の外伝は未刊)と分けて翻訳してきたのですが、原書の3巻は日本語版では5巻から7巻の3冊に分けられました。日本語版の6巻の終わりがあまりにも中途半端なので変だなと思ったのですが、今回初めて作者のサイトをチェックしてそういうことかとわかりました。
 7巻はわりと展開が大きくてストーリーとしては読ませてくれるのですが、7巻の終わり、つまり原書3巻の終わりは未解決の問題ばかりでいかにも続くって終わり方です。そういうあたり、原書でもやっぱり安っぽい売り方をしてるのねと改めて感じてしまいました。


原題:VAMPIRATES : BLOOD CAPTAIN
ジャスティン・ソンパー 訳:海後礼子
岩崎書店 2010年7月31日発行 (原書は2007年)

5巻は2010年1月14日、6巻は2010年5月28日の記事で紹介しています
コメント
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