伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

もの忘れと認知症 “ふつうの老化”をおそれる前に

2010-12-03 22:49:37 | 自然科学・工学系
 認知症や類似の病気についての説明と高齢者の生活、介護、終末医療等について解説した本。
 前半は、アルツハイマーを中心に認知症に至る各種の疾病についての説明が続いています。「パンチドランカー」なんて、「あしたのジョー」世代には懐かしい言葉も出てきます(16ページ)。「パンチドランカー」って今でいうと認知症なんですね。あぁ、カーロス・・・。
 それも含めてずいぶん様々な病気から認知症に至るのだと、知らなかったことがわかりますが、このあたりは素人には難しい感じですし、老化によって当然に記憶障害が生じたりするわけではない、老化だと考えずにとにかく早く医者に診せろという話が多い。
 ただ、医療関係者の宣伝っていうのでもなくて、多剤併用による副作用のリスクを強調していて、医療側の問題も指摘されています(アルコールやハーブやサプリメントと薬の併用の危険も強調していますから、結局は医者に何でも打ち明けて相談しろということではあるんですが)。
 認知症の予防についても、解明されておらず効果が確認はされていないとしながらも、知的活動の継続、果物、野菜、穀物を食べ飽和脂肪は減らす、定期的な運動等を勧めています。
 後半は、認知症のみならず、高齢者のケア、生活と介護について、参考になりますし、考えさせられます。
 全体として同じ事実の繰り返しが多く、読んでいてちょっとくどいなぁという印象を持ちます。


原題:Forgetting
J.C.ブライトン 監訳:都甲崇
みすず書房 2010年8月5日発行 (原書は2008年)
コメント
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