海洋の生物や生態系、環境問題、海洋そのものの物理化学的解明、気象との関係、深層水循環や海洋底、プレートテクトニクスと地震、海底火山など様々な分野が複合する海洋学についての紹介と、研究者リクルートのためのガイドブック。
第1部は幅広い分野から海と地球について解説していて勉強になります。私としては、深海の熱水噴射域での硫化水素や重金属から有機物を合成する生物による化学合成生態系(地表や浅海での光合成生態系に対置して)の存在(40~42ページ)や海洋底堆積物からの地球の歴史の分析(65~70ページ)、プレート境界でのマグマの挙動と火山や地震(71~85ページ)などに興味をそそられます。
第2部から第3部は研究者、特に女性研究者の生活や研究スケジュール、職場の様子が書かれていて、研究者の生活がイメージできます。この本は、女性研究者グループが主として女性に研究者を志してもらうために書かれたもので、この部分に重点が置かれています。紹介されている職場は多くが政府関係で、民間企業が2人、水族館とフリーランサーが1人ずつ。安定感はあるけど寄らば大樹でないと研究が難しいという印象も残り、フリーランサーの健闘はありますが収支が書かれてなくてたぶん大変だろうなと思ってしまいます。また研究者となると予算獲得や研究費助成を得るために1年単位でのスケジュールで動く必要があることも実感させてくれます。部外者からは、研究者の研究生活を垣間見させてくれる本ともいえます。

窪川かおる編 女性海洋研究者チーム著 東海大学出版会 2010年11月5日発行
第1部は幅広い分野から海と地球について解説していて勉強になります。私としては、深海の熱水噴射域での硫化水素や重金属から有機物を合成する生物による化学合成生態系(地表や浅海での光合成生態系に対置して)の存在(40~42ページ)や海洋底堆積物からの地球の歴史の分析(65~70ページ)、プレート境界でのマグマの挙動と火山や地震(71~85ページ)などに興味をそそられます。
第2部から第3部は研究者、特に女性研究者の生活や研究スケジュール、職場の様子が書かれていて、研究者の生活がイメージできます。この本は、女性研究者グループが主として女性に研究者を志してもらうために書かれたもので、この部分に重点が置かれています。紹介されている職場は多くが政府関係で、民間企業が2人、水族館とフリーランサーが1人ずつ。安定感はあるけど寄らば大樹でないと研究が難しいという印象も残り、フリーランサーの健闘はありますが収支が書かれてなくてたぶん大変だろうなと思ってしまいます。また研究者となると予算獲得や研究費助成を得るために1年単位でのスケジュールで動く必要があることも実感させてくれます。部外者からは、研究者の研究生活を垣間見させてくれる本ともいえます。

窪川かおる編 女性海洋研究者チーム著 東海大学出版会 2010年11月5日発行