幼いころ母から虐待され言葉が出なかった少女実菓子と実菓子を引き取った旧家藤屋のアレルギー体質の長男不動、父親に無視され不動にかばわれ続けた次男多聞が、長じて実菓子が多聞のギター伴奏に合わせたヴォカリーズ(母音のみでメロディを歌う歌)と不動のイラストで大ブレイクし、不動が実菓子と結ばれた後非業の死を遂げ、多聞は他の女性との結婚生活に破れて、多聞が実菓子の自伝を書き始めるという設定の親族関係ミステリー小説。
山村の旧家の対立と濃密である種陰湿な人間関係、家族・近親間の怨念とその取り繕いを基調に、謎がさりげなくちりばめられ解き明かされていき、読んでいて飽きさせません。
しかし、吉井が実菓子の自伝完成にここまで執着する理由は私にはストンと落ちませんし、実菓子の蔵の秘密についての謎解きの落ちはストーリーとしてはいいかなと思いますが実際の行動の動機としては無理があるしシニカルな言動とギャップが大きすぎるように思えます(ネットからブレイクしたアイドルの言動だからギャップ萌え狙いとか?)。
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遠田潤子 角川書店 2012年8月30日発行
山村の旧家の対立と濃密である種陰湿な人間関係、家族・近親間の怨念とその取り繕いを基調に、謎がさりげなくちりばめられ解き明かされていき、読んでいて飽きさせません。
しかし、吉井が実菓子の自伝完成にここまで執着する理由は私にはストンと落ちませんし、実菓子の蔵の秘密についての謎解きの落ちはストーリーとしてはいいかなと思いますが実際の行動の動機としては無理があるしシニカルな言動とギャップが大きすぎるように思えます(ネットからブレイクしたアイドルの言動だからギャップ萌え狙いとか?)。
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遠田潤子 角川書店 2012年8月30日発行