勤務先のホテルの同僚の阿漕な小遣い稼ぎを上司に指摘したら逆に嫌がらせされて退職し無職となった水川浩史と3度目の流産でうちひしがれた妻汐里が、夫婦がふさぎ込む部屋をのぞき込むように表れた「春風先輩」と自称する詐欺師に誘われて、浩史が妻のあることを知らせつつ女性を落としてハメ撮りした上で妻からの訴訟をちらつかせて金を払わせる商売を始めるという小説。
女性経験の少ない平凡なアラフォー男が、「春風先輩」のアシストを受けながらも、次々と美女を落としていくという展開は、作者が私と同い年のおじさんであることを知ると、いかにも男の妄想炸裂という感じの設定。
しかし、それを通じて、3度も流産した妻の失意を思い、今やセックスレスだった妻を恋しく思い妻に欲情していく、しかしそれを素直に言い出せず悶々とする浩史の姿は、微笑ましいような身につまされるような…
いかにも飄々としあっけらかんとしつつも非常識で異星人感覚の「春風先輩」を狂言回しにしながら、夫婦の関係にある男女の、機微とか綾とか言うほど繊細ではないものの、募り交錯する思いをテーマとして読ませる作品だと思います。
一色伸幸 角川書店 2013年12月30日発行
女性経験の少ない平凡なアラフォー男が、「春風先輩」のアシストを受けながらも、次々と美女を落としていくという展開は、作者が私と同い年のおじさんであることを知ると、いかにも男の妄想炸裂という感じの設定。
しかし、それを通じて、3度も流産した妻の失意を思い、今やセックスレスだった妻を恋しく思い妻に欲情していく、しかしそれを素直に言い出せず悶々とする浩史の姿は、微笑ましいような身につまされるような…
いかにも飄々としあっけらかんとしつつも非常識で異星人感覚の「春風先輩」を狂言回しにしながら、夫婦の関係にある男女の、機微とか綾とか言うほど繊細ではないものの、募り交錯する思いをテーマとして読ませる作品だと思います。
一色伸幸 角川書店 2013年12月30日発行