インターネット上の書き込み等による名誉毀損・侮辱に対する対抗手段となる削除請求や発信者情報の開示請求(その後発信者に対する損害賠償請求等)の手順を解説した本。
この種の本には珍しいくらい、著者が読者にわからせようと気を配っていることが感じられ、読んでいるだけで実際の手続がイメージできるところがうれしい。東京地裁保全部(民事9部)の待合室の呼出アナウンスまできちんと再現されていて臨場感がありますし、仮処分の発令の時に積んだ担保の取消手続までちゃんと説明されていて、かゆいところで手が届く感じがします。そういう感想を抱くのは、同業者だけだろうとは思いますけど。
書き込みをした者に対する損害賠償請求となると、サイト管理者に対する発信者情報開示の仮処分、アクセスプロバイダに対するアクセスログ保存請求ないし消去禁止仮処分、アクセスプロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟を経てようやく発信者が特定でき(できない時もある)、それから発信者に対する損害賠償請求で、これも発信者に差し押さえ対象財産もなければ判決は取れても回収できないという、手間と費用はかかるけど取れるとは限らない話なので、現実的には企業・お金持ちでないとやる気にもなれない手続ですが、この本を読んでいると、少し明るい気持ちでできそうに感じます。

中澤佑一 中央経済社 2013年11月10日発行
この種の本には珍しいくらい、著者が読者にわからせようと気を配っていることが感じられ、読んでいるだけで実際の手続がイメージできるところがうれしい。東京地裁保全部(民事9部)の待合室の呼出アナウンスまできちんと再現されていて臨場感がありますし、仮処分の発令の時に積んだ担保の取消手続までちゃんと説明されていて、かゆいところで手が届く感じがします。そういう感想を抱くのは、同業者だけだろうとは思いますけど。
書き込みをした者に対する損害賠償請求となると、サイト管理者に対する発信者情報開示の仮処分、アクセスプロバイダに対するアクセスログ保存請求ないし消去禁止仮処分、アクセスプロバイダに対する発信者情報開示請求訴訟を経てようやく発信者が特定でき(できない時もある)、それから発信者に対する損害賠償請求で、これも発信者に差し押さえ対象財産もなければ判決は取れても回収できないという、手間と費用はかかるけど取れるとは限らない話なので、現実的には企業・お金持ちでないとやる気にもなれない手続ですが、この本を読んでいると、少し明るい気持ちでできそうに感じます。

中澤佑一 中央経済社 2013年11月10日発行