横浜の暴力団尽誠会巴組組長水谷優司が、幼なじみのワル仲間のゲーム店長神楽武雄が殺害された事件と、武雄の父から預けられたフィリピン人留学生シェリーの両親が3年前に焼死体で見つかった事件を結びつけ、謎を解いていくサスペンス小説。
裏情報による株式売買で稼ぐ、大金持ちの清く正しいヤクザが、汚いヤクザと医者と弁護士がつるむ犯罪組織を解明して叩きつぶしていくという、医者と弁護士が嫌いな人々には痛快な小説。無い物ねだりのファンタジーだと思いますが。終盤で登場する悪徳弁護士の描写とその末路を見ると、作者がよほど弁護士が嫌いなのだろうと思います。
アクションが個人の卓抜な運動能力に依拠しすぎている感があり、人物設定が正義側と悪役側で極端に別れてやや厚みが感じられないなどの難はありますが、ミステリーの布石はわりとていねいに回収されており、読後感がさっぱりしているので、読み物としてはいい線でしょう。
川中大樹 光文社文庫 2014年3月20日発行(単行本は2012年2月)
日本ミステリー文学大賞新人賞
裏情報による株式売買で稼ぐ、大金持ちの清く正しいヤクザが、汚いヤクザと医者と弁護士がつるむ犯罪組織を解明して叩きつぶしていくという、医者と弁護士が嫌いな人々には痛快な小説。無い物ねだりのファンタジーだと思いますが。終盤で登場する悪徳弁護士の描写とその末路を見ると、作者がよほど弁護士が嫌いなのだろうと思います。
アクションが個人の卓抜な運動能力に依拠しすぎている感があり、人物設定が正義側と悪役側で極端に別れてやや厚みが感じられないなどの難はありますが、ミステリーの布石はわりとていねいに回収されており、読後感がさっぱりしているので、読み物としてはいい線でしょう。
川中大樹 光文社文庫 2014年3月20日発行(単行本は2012年2月)
日本ミステリー文学大賞新人賞