インターネットをめぐる法的問題とその問題に適用されるべき法の規定や法解釈について、インターネットと表現の自由、名誉毀損・プライバシー侵害、わいせつ表現・児童ポルノ、青少年保護(有害情報規制)、差別的表現・ヘイトスピーチ、電子商取引と契約等、インターネットと刑法、知的財産権、個人情報保護、プロバイダーの責任、国際裁判管轄と準拠法などの様々な分野に分けて説明した本。
私の業務分野と仕事がら、名誉毀損とプライバシー侵害を説明する第3章と個人情報保護に関する第11章は興味深く読ませていただきました。
インターネット独自の法規制はほとんどないため、基本的にはインターネット外の法律関係での法律の規定とその解釈、これまでの判例を元に、インターネットでの問題の特徴を考慮してどのように考えればよいかという考察が中心となっています。
多くの分野を取り上げて、執筆分担がなされていることから、執筆者によって掘り下げの度合い、執筆姿勢が様々で、判例を多く紹介して実務的な検討がなされているところもあれば、学者的な理論面での興味にほぼ限られているところもあり、読後感としては全体としては広く浅く、玉石混淆の感があります。
消費者契約法第4条で「不利益事実の告知による取消し」が主張できるとしている(188ページ)のは、「不利益事実の不告知による取消し」の誤りと思います。単純なミスでしょうけど、この下りを読んで違和感を覚えないとしたら消費者契約法がまるでわかっていないということだと思うのですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock2.gif)
松井茂記、鈴木秀美、山口いつ子編 有斐閣 2015年12月25日発行
私の業務分野と仕事がら、名誉毀損とプライバシー侵害を説明する第3章と個人情報保護に関する第11章は興味深く読ませていただきました。
インターネット独自の法規制はほとんどないため、基本的にはインターネット外の法律関係での法律の規定とその解釈、これまでの判例を元に、インターネットでの問題の特徴を考慮してどのように考えればよいかという考察が中心となっています。
多くの分野を取り上げて、執筆分担がなされていることから、執筆者によって掘り下げの度合い、執筆姿勢が様々で、判例を多く紹介して実務的な検討がなされているところもあれば、学者的な理論面での興味にほぼ限られているところもあり、読後感としては全体としては広く浅く、玉石混淆の感があります。
消費者契約法第4条で「不利益事実の告知による取消し」が主張できるとしている(188ページ)のは、「不利益事実の不告知による取消し」の誤りと思います。単純なミスでしょうけど、この下りを読んで違和感を覚えないとしたら消費者契約法がまるでわかっていないということだと思うのですが。
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松井茂記、鈴木秀美、山口いつ子編 有斐閣 2015年12月25日発行