近年のマスコミの報道姿勢についての対談本。
安倍政権のメディアへの圧力について、政府がマスコミに圧力をかけるのはどこの国でもいつの時代でも当たり前、それで萎縮するのはマスコミの方が情けない(52~53ページ)という立場を取り、従軍慰安婦問題についての民衆法廷を扱った特集番組への政治介入問題(50~51ページ)でも報道ステーションでの古賀茂明降板問題(48~50ページ)でも政権の側よりもメディア側の対応、自主規制を問題としています。メディア側が政権・行政の意向を忖度して自主規制している、それが問題だと。マスコミのだらしなさ、情けなさ加減はそうなんですが、しかしメディアコントロールに異常なまでの執念を見せる安倍政権の悪辣さを批判の対象から外してしまうことには違和感を覚えます。
日本のマスコミが、40くらいで記者が現場に行かなくなりデスクになったり、脚を引っ張り合う現状を、海外の場合は本人が希望すればずっと現場にいられるし現場にいてもギャラがアップしていく仕組みになっている、ホワイトハウスの記者会見場を後ろから見るとみんな白髪か禿げ、アメリカのメディアは思想が信条が違っても公権力と闘うときは連帯するなどと比較して論じるあたり(94~96ページ、112~113ページ)は、なるほどと思いますし、日本のマスコミによくよく考えて欲しいところだと思います。
池上彰、森達也 現代書館 2015年9月25日発行
安倍政権のメディアへの圧力について、政府がマスコミに圧力をかけるのはどこの国でもいつの時代でも当たり前、それで萎縮するのはマスコミの方が情けない(52~53ページ)という立場を取り、従軍慰安婦問題についての民衆法廷を扱った特集番組への政治介入問題(50~51ページ)でも報道ステーションでの古賀茂明降板問題(48~50ページ)でも政権の側よりもメディア側の対応、自主規制を問題としています。メディア側が政権・行政の意向を忖度して自主規制している、それが問題だと。マスコミのだらしなさ、情けなさ加減はそうなんですが、しかしメディアコントロールに異常なまでの執念を見せる安倍政権の悪辣さを批判の対象から外してしまうことには違和感を覚えます。
日本のマスコミが、40くらいで記者が現場に行かなくなりデスクになったり、脚を引っ張り合う現状を、海外の場合は本人が希望すればずっと現場にいられるし現場にいてもギャラがアップしていく仕組みになっている、ホワイトハウスの記者会見場を後ろから見るとみんな白髪か禿げ、アメリカのメディアは思想が信条が違っても公権力と闘うときは連帯するなどと比較して論じるあたり(94~96ページ、112~113ページ)は、なるほどと思いますし、日本のマスコミによくよく考えて欲しいところだと思います。
池上彰、森達也 現代書館 2015年9月25日発行