伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

口の中をみれば寿命がわかる 口腔内細菌が引き起こす、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、認知症

2016-03-28 00:10:05 | 実用書・ビジネス書
 口腔内細菌が、虫歯、歯周病だけでなく、糖尿病や心臓病などの内科系の様々な病気を引き起こすこと、口腔内細菌を増殖させないために唾液の分泌が重要だが唾液の分泌を維持するために噛むことが必要でそのために歯を残すこと、適切な噛み合わせを維持することが重要だということ、噛み合わせが全身の健康に影響することなど、歯科治療と予防の大切さを説いた本。
 前半のテーマとなる口腔内細菌の除去は、歯磨きと唾液の分泌維持がポイントとなりますが、適切な歯磨きをしないと、あるいは唾液の分泌が減るとどうなるかの話がほとんどで、適切な歯磨きの仕方については、かつては食後すぐがいいと言われていたが今では30分程度経過してからがいいといわれる(111~112ページ)とか、「波と歯肉の境目にブラシの毛先を45度の角度でしっかり当てて、ヌメヌメとした感触がなくなるまでしっかりこすり落とすことが大切だ。歯ブラシはペンを持つように、優しく磨く」(113ページ)という程度のよく見る記述に終わっています。修復歯科の時代は終わった(130ページ)、歯科医はこれまで症状の緩和医療を行ってきたが原因に迫る治療のアプローチがなされてこなかった、病気そのものにならないための患者の教育が大切(186ページ)というのはその通りだと思います。そのためには患者が実践できるように、歯磨きや日常生活上可能なことをより丁寧に書いてくれるとよかったと思うのですが。


波多野尚樹 小学館 2015年2月25日発行
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