15世紀のネーデルラント美術(絵画)がイタリア、フランス、神聖ローマ帝国等に拡がり影響を与えていった様子を、①「ポルティナーリ祭壇画」の制作の経緯とその後の移動、②ネーデルラント絵画収集家となったハプスブルク家の娘マルグリット・ドートリッシュ、③ルネサンス期の芸術家の移動、④フランソワ1世の肖像画、⑤イーゼンハイム祭壇画の成り立ちとその利用と影響といった5つのテーマ/切り口で論じた本。
一応統一テーマが設定されてはいるのですが、実態は学者さんがそれぞれの専門分野・研究対象について書いた論文集という感じで、つながりやストーリーのある読み物ではありません。北方近世美術叢書というシリーズで5冊+番外編1冊の構成なんですが、全冊がネーデルラント美術というのも、著者の好みが勝ちすぎている感じがします。
ネーデルラント美術というと17世紀のオランダ風俗画と呼ばれるもの(フェルメールとか、ヤン・ステーンとか、ピーテル・デ・ホーホとか)がまず思い浮かぶというか、それしか知らなかったのですが、15世紀や16世紀の祭壇画・宗教画、肖像画が多数紹介されていて、初めて見る作品の高い技術/技巧に驚き感心しました。
今井澄子責任編集 ありな書房 2020年11月20日発行
一応統一テーマが設定されてはいるのですが、実態は学者さんがそれぞれの専門分野・研究対象について書いた論文集という感じで、つながりやストーリーのある読み物ではありません。北方近世美術叢書というシリーズで5冊+番外編1冊の構成なんですが、全冊がネーデルラント美術というのも、著者の好みが勝ちすぎている感じがします。
ネーデルラント美術というと17世紀のオランダ風俗画と呼ばれるもの(フェルメールとか、ヤン・ステーンとか、ピーテル・デ・ホーホとか)がまず思い浮かぶというか、それしか知らなかったのですが、15世紀や16世紀の祭壇画・宗教画、肖像画が多数紹介されていて、初めて見る作品の高い技術/技巧に驚き感心しました。
今井澄子責任編集 ありな書房 2020年11月20日発行