伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

優等生は探偵に向かない

2023-09-13 23:12:28 | 小説
 前作「自由研究には向かない殺人」で判明した5年前のアンディ・ベル失踪事件とサル・シンの死の真実と、その過程で明らかになったレイプ事件の裁判について、「グッドガールの殺人ガイド」のタイトルでポッドキャスト配信を始めたピップが、友人コナーの兄ジェイミーが行方不明状態となっていることについてポッドキャストで捜索をして欲しいとコナーに懇願され、逡巡した後にそれを引き受け、「グッドガールの殺人ガイド」シーズン2としてジェイミーに関する情報を配信し始め、前作で恋人になったサルの弟ラヴィに励まされながら、事件の真相に迫って行くというミステリー小説。
 警察もできなかった真相解明を成し遂げた者(高校生探偵)は、賞賛され尊敬を集めるかというと、自分の事件も解決してくれるものと一方的に期待し、少しでも期待に添えないと感情的になるわがままな者に言い寄られ言い募られる、周囲には陰口をたたき何か足を引っ張れる材料があればと機会を窺う者が溢れ…という哀しい状態。そのあたり、とても共感し身につまされながら読みました。
 前作の原題 " A Good Girl's Guide to Murder " そのままのポッドキャスト番組タイトルを、さすがに邦題にした「自由研究には向かない殺人」とは訳せずに、そこは素直に「グッドガールの殺人ガイド」としています。出版社の思惑で原題とかけ離れた邦題が付けられることが多々ありますが、もう少し考えて欲しいなと思います。


原題:Good Girl, Bad Blood
ホリー・ジャクソン 訳:服部京子
創元推理文庫 2022年7月22日発行(原書は2020年)

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