伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

甘くない湖水

2023-12-14 19:22:00 | 小説
 父が工事現場の足場から落ちて半身不随となり母が清掃の仕事等をして仕切っている貧困家庭で4歳上の兄と双子の弟とともに暮らす少女ガイアが、母の指示に従い裕福な子女が通う学校に通い勉強して好成績を収めながら、居場所のなさを感じ、母への反発や知人への不満を溜め込みときに爆発する思春期青春小説。
 ときどき明示しないで場面が戻ることや書きぶり・文体のためか、私には読んでいてすんなりと入ってこずページが進まない作品でした。基本がガイアの反発・怒りということで楽しく読めるというものでもないですし。
 ガイアが友人と語る言葉に「私も、コンゴとか日本とかポリネシアみたいな、遠い処にある住処がほしい」(276ページ)というのがあって、イタリア人の目には日本はコンゴやポリネシアと同じようなイメージなのかと驚きました。


原題:L'ACQUA DEL LAGO NON E MAI DOLCE
ジュリア・カニミート 訳:越前貴美子
早川書房 2023年11月15日発行(原書は2021年)
カンピエッロ賞受賞作


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