なあむ

やどかり和尚の考えたこと

大震災2 上田先生のメール

2011年03月14日 15時20分36秒 | 東日本大震災

東北関東大震災に関して上田紀行先生からメールがありました。

上田紀行です。
未曾有の災害、皆さまも言葉を失い、心を痛めておられることと思います。
私自身も精神的にも非常に苦しい時間を送っております。
被災地に駆けつけることももちろんできず、いったい何ができるのか。
その中で、やはり言論人としてはきっちりと発言せねばと思い、
昨日からツイッターでいくつかの発言を行いました。
今はその想いを共有することが第一と思い、メールにてお送りいたします。
よろしくお願いいたします。

3月12日
テレビは地震&津波の悲惨な画像を流し続けている。もうそれは十分だ。今何がいちば
ん問題なのか。そして我々に今、そして明日以降にできることは何なのか。そのこと
を予見し提案するのがメディアではないのか。

原発の職員の方々も、もう被爆は覚悟の上の犠牲的行為なのだろうか。被災地でこの
寒い朝を迎えている全ての方々に、心からの祈りを。

3月13日
私たちが税金を納めているのは、自分ひとりでは出会えない、社会の中で困窮してい
る人たちへのケアを、政府に仮託する行為である。今こそ、その税金を生かすときだ。

社会的正義とはその社会の中での分配の問題でもある。自分の取り分を減らしてでも、
その分を困窮している人たちへ振り向けてほしいと意思表示することは、大きな社会
的正義を実現する行為だ。

募金も重要だ。それと同時に、既に私たちが納めた税金という巨大な募金が、徹底的
に弱者に向けて使われるように意思表示することが、重要だ。あなたが儲かりますよ
との利益誘導の政治から、徹底的な弱者救済の政治への転換への意志を持つこと。そ
れが大きな募金になる。

今日も一日、現場で尊い仕事をなさった方々、寒空の下悲しみに絶えながらがんばっ
て来られた方々に、心よりの敬意と、そして祈りを捧げます。被害のなかった私たち
も、皆さんの存在を第一に考えながら生きていくという決意が必要です。これは地域
災害ではなく、国家全体の災害です。

この未曾有の災害は、国家像自体の変更を要求することになるだろう。第二次世界大
戦によって国家像の大きな変更が行われたように。「痛み」と「苦しみ」を忘れた国
家像からの脱却をこれまで私は主張してきたが、死力を尽くしてそのことを発信する
つもりだ。

災害被害者の方々、救援活動に携わっている方々に放射能が降り注ぐ事態だけは避け
なければならない。現場で自らの命を危険にさらしながら献身的な努力を続けている
方々に、全身全霊からのエネルギーを送りたい。私たちは祈ることしかできない。し
かし心から祈ることはできる。