なあむ

やどかり和尚の考えたこと

大震災8 ご遺体の問題

2011年03月23日 22時28分29秒 | 東日本大震災

大津波によって亡くなられたご遺体の扱いについて、色々なことが起こっています。

石巻市では、昨日から1日100体ずつ仮埋葬を始めたそうです。数ヶ月後に掘り起こして火葬にするという計画で、番号と名前を付けて土葬するのだそうです。

火葬場の能力を超えた遺体数と、時間との戦いで苦渋の決断をされたのだと思います。

ところが、遺族によっては、遺体のまま土に埋められることに対する抵抗が非常に強く、何とか火葬してくれる所がないものかという問い合わせが、石巻の住職さんから私のところに寄せられました。

河北町の火葬場では断っているということでしたが、新庄最上の火葬場では、「それは受け入れることになっています」という答えでした。遺族から電話していただくだけで可能という知らせに大変喜んでおられました。25日に火葬が決まり、簡単にお経1巻を読ませていただくことにしました。5歳のお子さんと若いお母さんだと伺っています。

偶然にも、昨日葬儀した最上町の葬儀社で、「明日石巻の方が火葬に来られることになっています」という情報を得ました。私は行けないので新庄市の和尚さんにお願いしたところ、立ち会ってくれたそうです。そうしたら、その他にももう1体石巻からのご遺体もあって、そちらも読経してくださったとのことでした。

150体の遺体がある大槌町では、今日ようやくいくつかの棺が運ばれてきて、身元の分かっているご遺体から納棺が行われたということを大槌の住職に聞きました。残りは未だに毛布やビニールシートにくるまったままだと聞いてやるせない思いになりました。「遺族は二重に被災されている」と住職は訴えていました。ここにも支援の偏りは起こっています。

遺体安置所で読経したいと申し入れたら上司にお伺いを立てるということで断られた和尚さんの話、喜んで読経させていただいた和尚さんの話、どちらの話も伺いました。自治体や施設によっても対応は違うようです。

遺体安置所が難しいならば、亡くなられた現場で花と線香を手向け読経してもいいのではないかと思っています。

とういうことで、どうしても気にかかり、28日何とか時間を割いて行ってみようと思っています。永平寺から帰ってきたばかりの息子も一緒に行くつもりです。