今年初めて横浜美術館を訪れた。二度目のホイッスラー展である。一度目は昨年ごく短時間で会場を駆け足のようにひとまわりしただけなので、本日が実質的な第一回目となると思う。
15時15分から45分ほどかけてじっくり一巡した後、16時からの学芸員にギャラリートークとともにさらに50分ほど会場を巡った。いくつかの新しい視点も教わった。ホイッスラーという画家の私なりの像が少しずつではあるが、出来かけている。
この画家も水、特に川とは切り離せない、と感じた。
展覧会の構成は制作年代順に並べるという方法を取らずに
第1章 人物画
第2章 風景画
第3章 ジャポニズム
及び参考出品・ホイッスラー旧蔵品の4つのコーナーに分かれている。また映像作品として「青の金色のハーモニー:ピーコック・ルーム(1876-77)も展示されている。
第1章から第3章まではそれぞれが年代順に展示されている。
色の鮮やかな作品もあり、取り上げた作品のように同系統の色の微妙なグラデーションによる構成の絵もあり、多彩な才能を思わせるものがある。
マネの「草上の昼食」と同じく「白のシンフォニーNo.1 ― 白衣の少女」は1863年のパリのサロンで落選し物議を醸したことで有名である。残念ながら今回はこの作品は展示されていないが、白を基調とした美しい作品である。白のグラデーションのもつ表情の多様性に驚くばかりだ。同じく白のシンフォニーNo.2(1864) 、No.3(1865-67)を見ることが出来る。
今回掲げた作品は「肌色と緑色の黄昏:バルパライソ」(1866)と「ノクターン:青と金色-オールド・バターシー・ブリッジ」の2作品。とても気に入っている。