暑さが蝉の声となって厚い樹皮の中に沁み込んでいくようである。私の住む団地は大きな樹木が多い。おおきな幹、張りだした枝、どの樹皮も蝉の声が覆っている。次から次に降り注いでいる。樹皮の中に染み入っていかない限り、蝉の声はどこにも行き場がないように絶え間なく降り注ぐ。冬に雪が積もるように‥。
もうすでに23時になろうとしている。しかし蝉の声は止まらない。蝉が深夜を過ぎて明け方まで、24時間啼くようになったのは都市化の影響だと聞いたことがある。蝉も昔は夜は休んでいたのだろう。
台風の影響であろうか。先ほど一陣の強い風が吹いたが、その風の音に負けじと蝉の声がさらに大きくなった。夕刻には鱗雲が空一面を覆っていたが、今は一部の空を除き、高度の高い薄い雲が空一面を覆い尽くしている。
先ほどの一陣の風も団地の中ではいつものとおり西から東に流れたので、南向きの部屋の中には入ってこなかった。気温は相変わらず高いまま。扇風機の促されて、昼間の熱気を持ったままの風が網戸をとおして部屋にわずかに入ってくるだけである。
横浜の明日は、一日曇りで、湿度は90~100%の予想。最高気温がかろうじて30℃となっている。