本日はパソコンに付きっきりだった1日。夕方岩波書店の宣伝誌「図書9月号」が届いたものの、先ほど目をとおしたのは、次の一編。
★窪島誠一郎さんのこと 玉川薫
その中に詩が掲載されている。
死後 窪島誠一郎
死後、
といっても
あの世、の
話ではない
わたしの
死んだあとの
この世、の話
わたしが
死んだあと
わたしが養なった
画家たちの館は
カナヅチで
あとかたもなく
取り壊されるのか
たとえば
仕事を手伝った
若者のなかに
この館の存命に
手をつくす者が
いるのか
それとも
わたしの親族の
だれかが
さっそうと登場し
わたしの愛用の
椅子にすわり
わがモノ顔に
この館の主になるのか
どちらも
館にならぶ
絵たちは
わたしの死とともに
消滅する
もんだいは
消滅した絵たちを
もう一ど
この世、に
甦らせる者がいるか
どうか、だ
死んだわたしは
甦らないが
消滅した絵たちが
甦る
ということは、ある
どっちにしても
わたしの
死後、の
話だけれど
この詩の中の「絵」とは長野県上田市の別所温泉の近くにある「無言館」に収蔵されている一連の作品である。戦没した画学生の出生前の作品、遺作ともいうべき作品をさしている。窪島誠一郎氏が集めた、あるいは遺族から寄贈を受けた作品群のことである。
★窪島誠一郎さんのこと 玉川薫
その中に詩が掲載されている。
死後 窪島誠一郎
死後、
といっても
あの世、の
話ではない
わたしの
死んだあとの
この世、の話
わたしが
死んだあと
わたしが養なった
画家たちの館は
カナヅチで
あとかたもなく
取り壊されるのか
たとえば
仕事を手伝った
若者のなかに
この館の存命に
手をつくす者が
いるのか
それとも
わたしの親族の
だれかが
さっそうと登場し
わたしの愛用の
椅子にすわり
わがモノ顔に
この館の主になるのか
どちらも
館にならぶ
絵たちは
わたしの死とともに
消滅する
もんだいは
消滅した絵たちを
もう一ど
この世、に
甦らせる者がいるか
どうか、だ
死んだわたしは
甦らないが
消滅した絵たちが
甦る
ということは、ある
どっちにしても
わたしの
死後、の
話だけれど
この詩の中の「絵」とは長野県上田市の別所温泉の近くにある「無言館」に収蔵されている一連の作品である。戦没した画学生の出生前の作品、遺作ともいうべき作品をさしている。窪島誠一郎氏が集めた、あるいは遺族から寄贈を受けた作品群のことである。