向日葵という花は、小さいものから咲くのか、と早とちりしてしまった。大きく密生した蘂を持つものよりも花弁が弱々しく可憐と思われるものから咲き始めていた群落を見つけた。咲いた後に成長するわけでもないので、日あたりの具合なのであろうか。
★向日葵の群れ立つ乱ある如し 大串 章
★向日葵に剣の如きレールかな 松本たかし
2句ともどこかドラマを感じる句を選んでみた。ゴッホの向日葵の印象とはちょっと違う向日葵ではないだろうか。ゴッホのような圧倒的な存在感のある向日葵の印象を与えられてしまうと、別の角度から向日葵を見ることが難しくなるものである。
第1句、中心部の黒い部分が乱立しているのは、不安を掻き立てる印象もある。黄色だけではないところ、蕾の部分の緑の重量感、葉のこわごわとした質感、いづれもが「向日葵」である。向日葵の全体を見ないとこの発想は出てこないのではないだろうか。
第2句、梅雨も明けて猛暑日の続くときに向日葵はその重量感のある姿を見せる。線路わきの向日葵には、猛暑で熱く熱せられたレールが無機質な質感で絡んでくる。見ているものに鋭く迫ってくるようなレールである。向日葵とレールと人を押しつぶすように太陽、人がとても脆弱なものに見えてくる。
朝の内は土砂降りでビックリした。一時は大雨・洪水警報まで出た。が、お昼に雨は止み、13時半を過ぎたら強い陽射しとなった。ほぼ南風で、とても蒸し暑くしばらくは外に出るのは止めていた。15時前に湿度が少し下がったようなので、組合の会館へ。
若干の仕事を終えてから街中ウォーキングで帰宅。それでもとても蒸し暑かった。桜木町駅-横浜駅間だけは歩いた。ちょうど市の職員の帰宅時間と重なり、新市庁舎から職員がたくさん桜木町駅に向かっていた。一駅だけ満員の京浜東北線に乗った。満員といっても昔のようにぎゅうぎゅう詰めではなく、人と触れ合うか触れあわないか、ギリギリのところ。それでも「密」であることには変わりはない。
電車の中よりも、横浜駅のプラットホームや構内の通路、改札ゲートの方が電車よりは混みあっていたと思う。混雑する地下街を通り抜け、地上に出るとホッとする。
団地の敷地に足を踏み入れると途端にミンミンゼミの合唱が聞こえてきた。今朝よりも鳴いているセミの数は確実に増えた。
★降り注ぐ雨くろぐろと送り梅雨 清水孝男
★踏み鳴らす雷神のステップ送り梅雨 庄司たけし
横浜では時間雨量50ミリを超える雨が降り続いている。一時は30メートル先の向かい側の号棟が白く煙って見にくくなった。風はほとんどない。
9時半には横浜市域には大雨警報、洪水・雷注意報が出ている。
10時を過ぎて雨脚は急激に弱まり、突然ミンミンゼミが鳴き始めた。まだ雨は降っているのに雨が止むのが待ちきれないらしい。じっと聞いていると2頭ほどが鳴き交しているようだ。一方が鳴くと一方が鳴きやむ。ステレオ放送を聞いているように私の左右の耳に交互に響いている。右の方が少し遠いかもしれない。
この雨では外にも出られない。退職者会の仕事を午前中に片付けたい。
追加⇒ 10時半前には洪水注意報が洪水警報に切り替わった。