本日の昼間に読んだのは、次の記事。
・去勢派とバフチン 亀山郁夫
・数と図形のまえづけ 時枝 正
・自滅する民主主義 長谷川櫂
「照井翠が高校教師として赴任していた釜石市も大津波に襲われた。翌年に出した句集「竜宮」から。
★御くるみのレースを剥げば泥の花
★春の星こんなに人が死んだのか
★ひとりまたひとり加はる卒業歌
★虹の骨泥の中より拾ひけり
自分の心を空っぽにして、Gb5.はずのない死者の声を聞き取る。照井の俳句の姿勢がこの奇襲で定まったようだ。
昨年暮れも押し詰まったころ、新しい句集「泥天使」が届いた。
★三・一一死者に添ひ伏す泥天使
★春の泥抱起(だきおこ)すたび違ふ顔
★屍より管伸びきたる浮葉かな
★あなたから成るしら露もこの霧も
★死の風の吹く日も麦の熟れゆけり
「竜宮」ではかろうじて人の姿をしていた死が、「泥天使」では露となりきりとなって今や世界中に遍在している。これが照井の十年だったのだろう。」
「奴隷、戦争、公害、原発‥。では除外リストを決めるのはだれか。西洋風にいえば人間の理性、東洋風にいえば天地の道理。その道理を通すのが政治である。はたして政治は道理をとおしているか。新型コロナウイルスと闘うのではなく共生を-―。去年の春「コロナとの共存」がいわれはじめたとき、これからはコロナウイルスの存在を前提として人類の生活や文化を変えてゆくのだと多くの人は思ったはずである。ところが政府のとった方針は既存の経済を回しながらコロナ対策をとるという「既存経済との共生むだった。それさえいつの間にか「経済優先」にすり替えられ、「go to travel」「go to eat」という見当違いな政策が打ち出された。‥政府にとってコロナ問題は最初から経済問題だったのだ。ここでも政治は道理を通さなかった。」
全16編の内、今月は10編を読んだ。