映像から伝わる豊穣な質感、文学感、官能感は例えようもないほどすばらしく、すっかりこの映画のリズム、危険なテーマにすっぽり入ってしまう自分を感じる。
フランス映画と聞くと少々冗漫で眠くなるような映画も多いのだが、この映画はまったくその反対で最初の薬指の欠損事故から僕たちを妖しい映像の世界に呼び寄せる。
女優がいいね。あのクローズアップにも耐えられる美貌、若さ。はかなさも感じるその強さに驚き。
対する . . . 本文を読む
この作品の大部分はファーストシーンの生前の姿のまま蘇って来た人たちと受け止める人たちとの邂逅シーンにあると言えるだろう。いわばこのアイデアがすべてであり、それからの3人のそれぞれの問題点は取ってつけた時間つなぎのような気がしてならない。
死者たちが現代に蘇っても既にその場所すらないというのは日本映画「黄泉がえり」で既に描いており、決して新しいものではない。
ただ、やはり外国なのだろうか、死者とのセ . . . 本文を読む