セントの映画・小演劇 150本

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薬指の標本(2004)(ディアーヌ・ベルトラン)

2006-09-24 20:57:25 | 映画遍歴
映像から伝わる豊穣な質感、文学感、官能感は例えようもないほどすばらしく、すっかりこの映画のリズム、危険なテーマにすっぽり入ってしまう自分を感じる。
フランス映画と聞くと少々冗漫で眠くなるような映画も多いのだが、この映画はまったくその反対で最初の薬指の欠損事故から僕たちを妖しい映像の世界に呼び寄せる。
女優がいいね。あのクローズアップにも耐えられる美貌、若さ。はかなさも感じるその強さに驚き。
対する標本士のマルク・バルベもなかなかいい。一遍の小説を読んだ読後感も強いが、映像でここまで描写できたその演出力はフランス映画のタッチというより、イギリスっぽく感じた。稀に見る耽溺的なラブストーリーだ。文句なしの秀作。
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