なかなか上映されなかったマリック作品だ。久々に彼の作品を見て傍観者的に思うことが多かった。
冒頭からラストまで執拗に繰り返される広角レンズによる被写体。異様に美しく、また一方グロテスクでさえある。酔いそうでもある。このモノローグ、心のつぶやきを映像化するには最適な手法である。
けれど、俳優たちの演技を見ていると、モノローグ群はまず映像を撮った後で(俳優にある程度のシチュエーションは伝えてはいる . . . 本文を読む
昨年のミステリー界でベスト1を獲得した作品です。名古屋の戦後の黎明期を、当時の映画・世相部門より細かく再現した丁寧な作品作りが際立つ力作です。
ただ、肝心のミステリー部分があっと驚くような展開になっておらず、本格ファンとしては期待外れと言わざるを得ない。ミステリーの評価というより、驚くような当時の時代を見事に再現した緻密な描写に尽きるでしょう。
この時代は辻さんの主人公たちと同じ思春期でもあり . . . 本文を読む