鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

野菜一家

2012-04-30 | エッセイ

地中で暮らす野菜一家がいる。

母親は大根。

色が白く、ふっくらした豊満な体で、実に働き者である。

煮物によく合い、おでんでは主役級である。

風呂吹き大根では、堂々一品で仕事をしている。

大根おろしやなますというふうに、生でもおいしい。

しなびても、たくあんとなって漬物界のトップに君臨している。

皆に愛される日本のお母さんである。

 

父親はゴボウ。

背は高いが、ガリガリにやせており、色は黒く貧相である。

筑前煮などの煮物関係で仕事しているが、主役になれず印象は薄い。

唯一、単独で仕事しているのが、きんぴらごぼうである。

食物繊維が多く、消化関係でいい働きをしている。

 

長男はカブ。

色白で母親似だが、丸々と太っている。

母親ほど働き者ではない。

主に漬物関係で仕事をしている。

石川県では、ブリと組んで、かぶら寿司といういい仕事をしている。

 

長女はニンジン。

他の三人が割と地味なのに対し、赤い衣装を着て派手である。

個性が強く、子供たちにはあまり人気がない。

煮物関係のほか、母親とペアでなますという仕事もする。

それから、他の三人には出来ない仕事をする。

キャロットジュースという飲料関係である。

性格が派手なだけあって、水商売が似合うのであった。

コメント (8)
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