メランコリア

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『天空の城ラピュタ』(1986)

2010-07-11 21:48:19 | 映画
『天空の城ラピュタ』(1986)
原作・脚本・監督:宮崎駿 プロデューサー:高畑勲 音楽:久石譲
声の出演:田中真弓、横沢啓子、初井言榮、寺田農、常田富士男、永井一郎 ほか

ジブリ作品でどれが一番好きかって質問になると、このラピュタを挙げる人が多い。
ナウシカが一番だと思っている自分は、今作も観ているはずだが思い出せなかった。
こうして改めて観てみると、なるほど分かる気がした(でもやっぱりナウシカが一番だと思うけど
今作がスタジオジブリ制作映画の記念すべき第1作目とのこと。

君をのせて

海賊の首領がお母さんてゆう設定もステキ。軍隊の指揮官が隊員を道具としてしか扱わないのと逆に
ドーラは我が子らを1人として傷ついたまま見捨てたりはしないし、最後の最後は母性で動くから。

今作にもたくさんの飛行船が出てきて、宮崎さんの空への狂おしいまでの憧れが投影されている。
パズーの住んでる町がものすごい崖っぷちにあって、走りながら落ちそうで落ちないシーンなどにドキドキハラハラ!
ラピュタの球体にはりついた樹の根にぶら下がってるシーンもそうだし、
宮崎さんの描く宙空と地上の着かず離れずの浮遊感はどの作品においても独特で素晴らしいのひと言に尽きる。

ナウシカの巨神兵より、ラピュタのロボットのほうがどこか人間味があって、
静かな誰もいない城で、何百年も動植物といっしょに天空を旅している姿はどこか儚げで胸を打つ。

パズーが竜の巣の中で死んだ父の幻を見るシーンも泣けた。

生きるための必要最低限のものが全部入ってるパズーのカバンてスゴイなあ!パンと灯りか。
たった40秒で自分の生活圏に2度と戻れなくてもいいと決心して飛び出せる、その若さと勇気と身軽さ。
バズーは機械を扱い、直すことが出来るし、シータはありあわせのもので美味しい料理ができる。
身一つでどうにでもなる能力が生きていく術となり、身を助ける。ほかの飾り物など必要ないんだ。

文明が発達しすぎて、自然を軽視し、欲、暴力、破壊だけを信じている種は滅びる。
これまで、どんなに優れた文明を持つ種族も、そうゆう結末を迎えてきたことは歴史と遺跡が物語っている。

ジブリアニメは他国の児童文学に全くひけをとらない壮大で、深遠な芸術といっても過言じゃない。
ヒトが想像(創造)する力ってすごいなあ!宮崎さんは永遠に現役でいてほしい一人。

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