■『タイコたたきの夢』ライナー・チムニク/文・画 矢川 澄子/訳 童話屋
「ゆこう どこかにあるはずだ もっとよいくに よいくらし!」
シンプルな線画と、読みやすい短い文章が魅力のチムニクシリーズ。
パロル舎は白い装丁になってるけど、童話屋のは土色をしているのがイイ(でも絶版?!
時々見開きで折り込まれたページもあって楽しい。噛めば噛むほど味の出る文章だな。
貧しい暮らしで食うや食わずの生活でも文句ひとつ言わずいた人々。
ある日、誰とも分からない男がタイコを叩きながら、上の文句を歌って歩いた。
「町を乱す奴はひっとらえるんだ!」けれども、捕らえてもあとからあとからタイコ叩きが現れて、
ついに大勢の大群となって町を出て、他の町の人々を巻き込みながら突き進んでゆく。
何も育たない土地、氷ばかりで夏の来ない土地、金がわんさか出る土地etc..
角材とタイコを持った人々はそれらの土地で麦を撒いてみるが、定住するには向いていない場所ばかり。。。
まさに昨日読んだ「マズローの欲求階層説」のリンクではないだろうか?驚
人は、安全、自由、富だけじゃ幸せじゃない、満足できないってこと。
1周して戻ってきてしまったということは、どこにも自由で楽しく暮らせる土地はないってことか?
どこも誰かの所有地で、どこにも支配者と貧困層の差があって、貧しい人々はより良い生活を夢見ている。
もしかしたら、夢の土地はどこか余所にあるのではなく、生まれ育った土地で生き方を変える方法を模索するべきだったのかもしれない。
タイコたたきらは決して怠け者じゃない。
それどころか、とても忍耐強く歩いて、自分のためのみならず、兄弟のために知恵を使って協力しあい、
飢えや寒さも耐えて、途中で息絶えても文句も言わず旅を続けた。
新たな土地を目指して困難に立ち向かった開拓民を想像させると同時に、
働いても働いても満足できない我々日本人にも通じる部分がありはしないだろうか。
日本人の勤勉さが、それぞれにうまく還元されずに、他の国、他の一部の富裕層に利用され、
ただ多大な利益だけが生まれてはどこへともなく消えているだけのような気がしてならない。
p.7抜粋
何よりりっぱなことはガマンすること、何よりいけないのは人をうらやむことでした。
いったい、世の中がこんな仕組みでもよいのかと、いちばん貧しいものをつかまえて聞いたところで、
答えはどうせ決まっていたのです。
「こうだからこうなんだ。なるようにしかならねえさ」
「ゆこう どこかにあるはずだ もっとよいくに よいくらし!」
シンプルな線画と、読みやすい短い文章が魅力のチムニクシリーズ。
パロル舎は白い装丁になってるけど、童話屋のは土色をしているのがイイ(でも絶版?!
時々見開きで折り込まれたページもあって楽しい。噛めば噛むほど味の出る文章だな。
貧しい暮らしで食うや食わずの生活でも文句ひとつ言わずいた人々。
ある日、誰とも分からない男がタイコを叩きながら、上の文句を歌って歩いた。
「町を乱す奴はひっとらえるんだ!」けれども、捕らえてもあとからあとからタイコ叩きが現れて、
ついに大勢の大群となって町を出て、他の町の人々を巻き込みながら突き進んでゆく。
何も育たない土地、氷ばかりで夏の来ない土地、金がわんさか出る土地etc..
角材とタイコを持った人々はそれらの土地で麦を撒いてみるが、定住するには向いていない場所ばかり。。。
まさに昨日読んだ「マズローの欲求階層説」のリンクではないだろうか?驚
人は、安全、自由、富だけじゃ幸せじゃない、満足できないってこと。
1周して戻ってきてしまったということは、どこにも自由で楽しく暮らせる土地はないってことか?
どこも誰かの所有地で、どこにも支配者と貧困層の差があって、貧しい人々はより良い生活を夢見ている。
もしかしたら、夢の土地はどこか余所にあるのではなく、生まれ育った土地で生き方を変える方法を模索するべきだったのかもしれない。
タイコたたきらは決して怠け者じゃない。
それどころか、とても忍耐強く歩いて、自分のためのみならず、兄弟のために知恵を使って協力しあい、
飢えや寒さも耐えて、途中で息絶えても文句も言わず旅を続けた。
新たな土地を目指して困難に立ち向かった開拓民を想像させると同時に、
働いても働いても満足できない我々日本人にも通じる部分がありはしないだろうか。
日本人の勤勉さが、それぞれにうまく還元されずに、他の国、他の一部の富裕層に利用され、
ただ多大な利益だけが生まれてはどこへともなく消えているだけのような気がしてならない。
p.7抜粋
何よりりっぱなことはガマンすること、何よりいけないのは人をうらやむことでした。
いったい、世の中がこんな仕組みでもよいのかと、いちばん貧しいものをつかまえて聞いたところで、
答えはどうせ決まっていたのです。
「こうだからこうなんだ。なるようにしかならねえさ」